ホームエレベーターの費用相場と間取りのポイント|後悔しやすい5つの理由と対策

ホームエレベーターの費用相場と間取りのポイント|後悔しやすい5つの理由と対策

住まいにホームエレベーターがあれば、買い物袋を抱えて階段を上る負担がなくなり、老後の暮らしやすさにもつながります。

ただし数百万円の初期費用がかかるうえ、設置した人からは「思ったより使わなかった」「稼働音が気になる」といった声も聞かれます。

一方で、こうした後悔の多くは設計段階で防げます。

そこでこの記事では、ホームエレベーターの費用相場と維持費の目安、後悔しやすい5つの理由、そして間取りづくりで押さえるポイントを分かりやすくまとめました。

あわせて、ホームエレベーターのデメリットに構造で対策する選択肢と、実際の施工事例もご紹介します。

このコラムで分かること

  • ホームエレベーターの導入費用は300万〜500万円程度、維持費は保守点検を中心に年間5万〜10万円前後かかります。
  • 使用頻度や維持費、居住スペースとのバランスなど、ホームエレベーターで後悔しやすいポイントを解説します。
  • 鉄筋コンクリート造なら躯体が荷重を支えられるため、補強の追加費用を抑えつつ稼働音にも対応しやすい点がメリットです。

ホームエレベーターを設置するメリット

ホームエレベーターを使う女性

ホームエレベーターは高齢になってからの備えだけではなく、日々の家事負担を軽くし、間取りの自由度も広げてくれます。

ここでは、ホームエレベーターの設置によって得られる3つのメリットを解説します。

買い物や洗濯物などの上下移動が楽になる

ホームエレベーターのメリットを毎日実感できるのは、荷物を持った移動の場面です。

例えば、2階にLDKを設けた住まいでは、買い物から帰るたびに食料品を階段で運ぶことになります。

洗濯物を屋上やバルコニーへ運ぶ動作も、毎日の負担になりやすい作業です。

ホームエレベーターがあれば、荷物を載せたまま上下階を移動できるため階段の上り下りによる負担を軽減できます。

将来も暮らしやすい

将来の身体の変化に対応しやすい点も、ホームエレベーターを新築時に導入する大きな理由です。

年齢を重ねると、階段の上り下りが負担に感じられる場面が増えていきますが、ホームエレベーターがあれば、体力が落ちてからも家全体を使い続けやすくなります。

介助が必要になった場合も、階段で体を支えながら移動する負担や転倒のリスクを抑えられます。

ただし、車いすでの生活を想定するなら、廊下幅や出入口の段差など住まい全体の対応が必要です。

この点は後述する間取りづくりのポイントで詳しく解説します。

2階リビングや屋上など間取りの選択肢が広がる

ホームエレベーターによって上下移動の負担を解消できれば、間取りの選択肢が広がる点もメリットです。

一般的な間取りでは、日常的に使う部屋を1階へ集めて、階段の上り下りを減らす考えが基本です。

住まいにホームエレベーターを組み込めば、階段の移動負担を考えずに間取りを調整することができます。

例えば、眺望や日当たりを優先して2階にLDKを配置する間取りでも、ホームエレベーターがあれば移動の負担を軽減しやすいです。

昇降路を屋上まで設ければ、テラスやガーデニングスペースへの動線もつながります。

狭小地などの3階建てでは、ホームエレベーターによって最上階への動線効率を改善できます。

ホームエレベーターで後悔しやすい5つのポイント

ホームエレベーターのあるリビング

利便性のメリットがある反面、ホームエレベーターの設置にはいくつかのデメリットやリスクもあります。

ここでは、実際にホームエレベーターを導入した人から挙がることが多い5つの後悔について解説します。

想定より使う機会が少ない

ホームエレベーターを設置したものの、思ったより使わなかったという後悔の声は多いです。

特に、導入の目的を将来の備えだけに置いてホームエレベーターを設置した場合、使用頻度が少なくなりがちです。

ホームエレベーターを呼び出してから乗り込むより、階段を使ったほうが速く移動できる場面は少なくありません。

結果として日常では階段を選び続け、費用に見合う実感を得られず後悔する可能性があります。

一方、荷物の運搬や2階リビングへの移動といった日々の用途を設計に織り込んでおけば、入居直後から使う頻度が高まります。

保守点検の費用がかかる

ホームエレベーターは設置費用だけでなく、住み続ける間は保守点検費用が発生し続ける点も後悔の原因になりやすいです。

保守点検の費用はメーカーや設置する製品、契約内容などによって異なりますが、年間5万~10万円前後かかるケースもあり、さらに、経年に応じた部品交換の費用も必要です。

保守点検費用を将来の出費として想定しておかないと、ホームエレベーターの存在が負担になってしまうリスクも考えられます。

昇降路の分だけ居住スペースが狭くなる

ホームエレベーターの設置には昇降路が必要なため、居住スペースが狭くなり後悔するリスクもあります。

例えば、3人乗りモデルのルーム内法は950mm×1150mm程度で、昇降路を含めると各階で1畳前後の空間が必要です。

土地の広さや予算に制限がある場合、ホームエレベーターを設置する代わりに居住スペースや収納などをあきらめる判断を迫られることもあります。

稼働音や振動が気になる

ホームエレベーターの稼働音や振動が、寝室や書斎など静かに過ごしたいスペースに伝わり後悔するケースもあります。

機械が動く以上、モーターの音や扉の開閉音は避けられません。

家族が就寝したあとに帰宅した人がホームエレベーターを使うと、稼働音で目を覚ますこともあります。

特に、木造住宅では壁や床に振動が伝わりやすく、体感としての影響が大きくなりがちです。

夜間の稼働音を抑えるモードを備えた機種もありますが、根本的には配置と構造で対策する課題といえます。

停電・故障時に使えない

停電が起きればホームエレベーターは停止し、階段での移動に切り替わります。

停電時に最寄り階まで自動で着床する装置を備えた機種もあり、閉じ込められた状態が続くとは限りません。

ただし復旧までの間は使えないため、災害時に備えた生活動線を別に想定しておく必要があります。

故障した場合も同様で、部品の手配や修理には日数が必要です。

車いすでの生活を前提とするなら、こうした期間をどう過ごすかまで含めた計画が求められます。

ホームエレベーターの費用と維持費

戸建ての廊下のホームエレベーター

ホームエレベーターの費用は、設置時にかかる初期費用と、住み続ける間かかる維持費に分かれます。

ここでは、それぞれの目安と変動する要因を解説します。

本体価格と設置工事費の目安

ホームエレベーターの導入にかかる費用は、本体価格と設置工事費を合わせて300万〜500万円程度が目安です。

本体価格は定員やルームのサイズ、駆動方式によって変わり、2人乗りのコンパクトなモデルは比較的リーズナブルなものもありますが、対応人数が多くサイズが大きくなると本体価格も高くなります。

設置工事費は停止階数に応じて増えていき、2階建てより3階建てのほうが高くなります。

同じ製品でも、建物の構造によって必要な工事の内容が変わる点は押さえておきたいところです。

電気代・保守点検費などの維持費

ホームエレベーターの維持費で大きな割合を占めるのは、電気代ではなく保守点検費です。

電気代の負担は比較的小さく、1日20回の使用で月額数百円程度とされています。

一方で保守点検の費用は年間5万〜10万円前後で住んでいる間ずっと発生し、経年に応じた部品交換も別途必要です。

なお、ホームエレベーターの所有者には、建築基準法第8条により建築設備を常時適法な状態に維持するよう努める義務があります。

かごが住戸内のみを昇降するホームエレベーターは、建築基準法施行令第16条第3項の規定により、同法第12条第3項に基づく特定行政庁への定期検査報告の対象から除かれています。

ただし、店舗併用住宅で店舗部分にも停止する場合など、かごが住戸内のみを昇降するものに当たらないケースは報告対象となるため注意が必要です。

ホームエレベーターの後悔を防ぐ間取りづくりのポイント

ホームエレベーターのある家間取り

ホームエレベーターへの後悔を防ぐには、設置場所と住まい全体の計画で対策するのが基本です。

ここでは、間取りを検討する段階で押さえておきたい4つのポイントを解説します。

動線をシミュレーションして設置場所を選ぶ

ホームエレベーターの設置場所は、家族が実際にたどる動線から逆算して決めましょう。

まず前提として、昇降路は上下階で同じ位置に配置する必要があります。

1階の都合だけで場所を決めると、2階では動線効率が悪く使いづらくなってしまうケースもあります。

各階の停止位置が生活の中心につながり、スムーズな動線になっているかを確認しましょう。

1階は玄関やパントリー、2階はLDKや寝室というように、荷物を持って移動する先へ直結していることが理想です。

買い物から帰宅した動線、洗濯物を運ぶ動線、来客を迎える動線を1つずつ図面上でたどってみると、効率の良い動線が見えやすくなります。

生活時間帯が異なる部屋からは距離を取る

ホームエレベーターの昇降路は、家族の就寝時間が早い部屋から離した位置に計画するのが理想的です。

例えば、お子さまが先に就寝する場合、子ども部屋とエレベーターの距離を取ることで、稼働音によって眠りを妨げられるリスクを軽減できます。

二世帯住宅で親世帯の就寝が早い場合も、同じような考え方が必要です。

一方、最後に就寝する主寝室であれば、隣接させても支障は出にくくなります。

寝室へ直接つなげる計画そのものが問題なのではなく、誰がいつ使い、誰がいつ休むかで判断します。

どうしても近接する場合は、間に収納やクローゼットを挟んで距離を稼ぐなど対策しましょう。

敷地から屋内まで一体でバリアフリーにする

将来の生活を見据えてホームエレベーターを設置する場合、住まい全体でバリアフリー計画を立てることも大切なポイントです。

せっかくホームエレベーターを設けても、外構や屋内に段差があるとバリアフリーにならず、そのままでは老後暮らしにくくなってしまいます。

外構について、駐車スペースは車いすで乗り降りできるようドアを全開にできる幅を確保し、玄関までは勾配を抑えたスロープで結びます。

屋内も、玄関の上がり框の段差処理や廊下幅と扉の形式など、介護や車いすが必要になった際もそのまま暮らせるように設計しましょう。

将来の設置を見据えた間取りにする

ホームエレベーターがすぐに必要ない場合は、後から設置できるような間取りにしておく考え方もあります。

例えば、上下階の同じ位置に1畳程度の収納を重ねて配置し、将来ホームエレベーターに転用できるようにしておくのも1つの考え方です。

リフォームでホームエレベーターを設置する場合、構造の補強や間取りの変更が必要になり、新築時より費用が膨らむことが多いです。

しかし、あらかじめ場所を確保しておけば、ホームエレベーターが必要になった時点での工事の負担を軽くできます。

配線の経路や基礎の形状も含めて、設計段階で設計者に伝えておくことが有効です。

ホームエレベーター×鉄筋コンクリート造という選択肢

ホームエレベーターのある鉄筋コンクリート造のハウスメーカー百年住宅の注文住宅

ホームエレベーターの設置を検討するなら、建物の構造をあわせて検討してみるのもおすすめです。

ホームエレベーターは重量のある設備であり、建物の構造で荷重を支える必要があります。

木造住宅では、荷重を受ける部分に補強工事が必要になり、追加費用がかかるケースが多いです。

一方、鉄筋コンクリート造は躯体そのものが荷重を支えられるため、補強の追加費用を抑えられる場合があります。

また、鉄筋コンクリート造は木造に比べて遮音性能を確保しやすい構造です。

後悔の要因として挙げた稼働音についても、構造の面から対策できます。

実際に、鉄筋コンクリート造の一戸建てにホームエレベーターを設置した施工事例をご紹介します。

ホームエレベーターがある鉄筋コンクリート造の家の外観

施工事例:『海を眺めながら暮らしたい。』を叶える、屋上に津波シェルターの付いた“津波に強い家”

リビングから海を眺めたいという希望を叶えるため、鉄筋コンクリート造を選ばれたI様のお住まいです。

2階に設けたLDKと屋上を結ぶ動線として、ホームエレベーターを導入されました。

鉄筋コンクリート造の家のホームエレベーター

施工事例:『海を眺めながら暮らしたい。』を叶える、屋上に津波シェルターの付いた“津波に強い家”

躯体自体がホームエレベーターの荷重を支えられる鉄筋コンクリート造のため、追加の補強工事なしで設置できたといいます。

また、鉄筋コンクリート造の遮音性についても、雨音に気付かないことがあるくらい静かで、大きなトラックが通っても気にならない、とご満足の様子です。

質量のある鉄筋コンクリートの壁・床は音を伝えにくく、昇降路まわりの間仕切りとしても有利です。

ただし振動対策は機種の防振仕様や設置ディテールにもよるため、設計時にご相談ください。

私たち百年住宅は、鉄筋コンクリート造の一戸建てを手がけるハウスメーカーです。

こちらで紹介した事例のように、鉄筋コンクリート造の強みを活かした、ホームエレベーターのある住まいづくりが可能です。

2階リビングや屋上のある住まいなど、ホームエレベーターを活かした間取りについてもお気軽にご相談ください。

▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現

ホームエレベーターについてよくある質問

ホームエレベーターに乗る女性

最後に、ホームエレベーターの導入を検討する際、よくある質問にまとめてお答えします。

Q.階段昇降機とホームエレベーターの違いは何ですか?

A.費用と設置スペース、運べるものが異なります

階段昇降機は既存の階段にレールを取り付ける機器で、専用の設置スペースが不要です。

いす式(1人乗り)と車いす用があり、費用の目安はリーズナブルなものだと数十万円から、車いす用は数百万円規模と幅があります。

既存住宅への後付けでは階段昇降機、新築で計画するならホームエレベーターと、条件に応じて選び分けるのが基本です。

Q.ホームエレベーターを設置すると固定資産税は上がりますか?

A.上がる可能性があります

固定資産税は建物の評価額をもとに算出され、建築設備も評価の対象に含まれます。

ホームエレベーターの価格や設置費用が評価額に反映され、固定資産税が上がる可能性はあります。

具体的な金額は自治体の評価によって決まるため、気になる場合は自治体の窓口やハウスメーカーに事前相談しましょう。

まとめ|ホームエレベーターのある家づくりは百年住宅へ

ホームエレベーターは、日々の荷物の上下移動を楽にし、老後の暮らしやすさにもつながる設備です。

一方で、想定より使う機会が少ない、保守点検の費用がかかる、稼働音が気になるといった後悔の声もあります。

こうした後悔は、動線を踏まえた設置場所の選定など、間取りの工夫である程度対策できます。

ホームエレベーターのメリット・デメリット両面を踏まえた上で、後悔のないようにしっかり検討しましょう。

私たち百年住宅は、鉄筋コンクリート造の一戸建てを手がけるハウスメーカーです。

耐荷重や遮音性の高い鉄筋コンクリート造の住まいは、ホームエレベーターの設置にも向いています。

ホームエレベーターのある住まいをご検討中でしたら、お気軽にご相談ください。

▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現