賃貸併用住宅は「やめとけ」って本当?メリット・デメリットと後悔しないための対策を解説

賃貸併用住宅は家賃収入でローン返済の負担を減らせる点がメリットですが、インターネットで調べると「デメリットが多いのでやめとけ」という声を見かけることも多いです。
実際に、賃貸併用住宅には空室リスクや入居者との音・プライバシーの問題など、一般住宅にはないデメリットや注意点があります。
しかし、デメリットの多くは、間取りの工夫や建物の構造などで対策できるケースもあります。
そこでこの記事では、賃貸併用住宅のメリット・デメリットをフラットに整理したうえで、「やめとけ」と言われる具体的な理由と対策について詳しくまとめました。
賃貸併用住宅の後悔を防ぎ、経営を成功させるためのポイントを、実際の施工事例も交えてわかりやすく解説します。
このコラムで分かること
- 賃貸併用住宅は、家賃収入で住宅ローンの負担を軽減できるほか、節税効果や家族構成の変化への対応力といったメリットがあります。
- 空室リスクや入居者との距離の近さ、売却のしにくさなど、事前に知っておきたいデメリットをチェックしましょう。
- 遮音性・耐久性・耐震性に優れた鉄筋コンクリート造で、賃貸併用住宅のデメリットに対策する考え方をご紹介します。
Contents
賃貸併用住宅とは|基本の仕組みをおさらい

賃貸併用住宅とは、自分たちが住む自宅部分と、人に貸し出す賃貸部分を1棟にまとめた建物のことを指します。
自宅とは別の土地・建物を用意する「アパート経営」に対し、土地の取得費と建築費を1つにまとめられるため、住まいと家賃収入を同時に実現できる点が賃貸併用住宅の特徴です。
賃貸併用住宅を検討するきっかけは、人によってさまざまです。
新たに土地を購入してマイホームと収益物件を両立させたい人もいれば、実家や相続した土地を活用して建て替える人もいます。
建物の規模や階数、賃貸部分の広さは土地の形状や立地条件によって大きく変わるため、同じ賃貸併用住宅でも間取りや収益性は物件ごとに異なります。
賃貸併用住宅のメリット

自宅と収益物件をそれぞれ持つ場合と比べて、賃貸併用住宅には次のようなメリットがあります。
家賃収入でローン負担を軽減できる
賃貸併用住宅は、家賃収入を住宅ローンの返済に充てて負担を軽減できる点がメリットです。
家賃収入をローン返済に充てることで、実質的な負担を軽減できます。(空室状況や修繕費などにより変動します)
住宅ローンを利用できるケースがある
一定の条件を満たせば、賃貸併用住宅でも金利が低い住宅ローンを利用できる点もメリットの1つです。
賃貸物件の建築や購入では、住宅ローンより金利が高いアパートローンを組むのが一般的です。
しかし、自宅部分の床面積の割合など一定の条件を満たせば、賃貸併用住宅全体で低金利の住宅ローンを適用できるケースがあります。
金利負担を抑えることで、前述した家賃収入によるローン負担軽減効果も大きくなります。
相続税評価額を抑えられる場合がある
賃貸併用住宅は、更地や自宅のみの建物に比べて相続税評価額が下がりやすい傾向があります。
例えば、親から土地を相続した場合、自宅だけ建てるよりも賃貸併用住宅の方が税負担を抑えられる可能性があります。
将来的に相続を見据えて土地を活用したい人にとって、節税効果も賃貸併用住宅が選ばれる理由の1つです。
ただし、税務上の取扱いは個別の事情により異なりますので、具体的な判断は税理士等の専門家にご相談ください。
家族構成の変化に対応しやすい
一般住宅より、将来的な家族構成の変化に対応しやすい点も賃貸併用住宅ならではのメリットです。
例えば、お子さまの独立などで自宅部分が広すぎると感じたら、賃貸部分と自宅部分を入れ替えたり、将来の二世帯同居に切り替えたりすることもできます。
増築や間取り変更など大規模な改修をしなくても、幅広い家族構成・ライフスタイルに対応しやすくなり、長く暮らせるのは魅力的なポイントです。
賃貸併用住宅はやめとけと言われる理由と対策

一方で、賃貸併用住宅には注意すべきデメリットもあります。
インターネットで「賃貸併用住宅はやめとけ」と検索すると見かけることが多い、よくある後悔の理由と原因、対策をあわせて解説します。
空室時のローン返済の負担が大きい
賃貸併用住宅では空室が出ると想定していた返済計画が崩れ、自宅部分のローン返済にも影響が及びます。
家賃収入を前提にローン計画を立てると、空室時の負担が大きくなり返済が苦しくなってしまいます。
戸数の多いアパート経営であれば1戸の空室が収支に与える影響は限定的です。
しかし、賃貸併用住宅は賃貸部分の戸数が少ないケースもあり、1戸の空室が家賃収入全体に与える影響が大きくなります。
対策としては、満室を前提にせず、賃貸部分の一部が長期間空室になった場合でも無理なく返済できるローン計画を立てることが大切です。
あわせて、最寄り駅からの距離や周辺の人口動態、競合物件の家賃相場・空室率といった客観的なデータをもとに、現実的な資金計画を立てることも重要です。
音・生活動線のトラブルが起きやすい
賃貸併用住宅ではオーナーと入居者が同じ建物に住むため、生活音やプライバシーが気になりやすい点もやめとけと言われることが多いポイントです。
自宅部分と賃貸部分の間で足音や話し声が伝わってしまうと、入居者とオーナーそれぞれの負担につながります。
対策としては、床や壁に遮音性の高い建材・構造を採用することや、玄関や階段、水回りの配置を工夫して生活動線が交わらないようにすることが効果的です。
また、入居者募集の際に生活時間帯をヒアリングし、オーナーの生活リズムと大きくずれない入居者を選ぶという運用面の対策もあります。
ただし、条件を厳しくしすぎると入居者を見つけるのが難しくなるため、基本的には間取りの工夫や後述する構造選びで対策するのがおすすめです。
将来の売却時に買い手がつきにくい
賃貸併用住宅は自宅と賃貸部分が一体化した特殊な間取りであるため、購入希望者が限られ、通常の住宅やアパートに比べて売却先が絞られやすい傾向があります。
自宅として住みたい人にとっては候補にならず、投資用物件として見る人には利回りが低く見えるという、需要のミスマッチが起きやすいのが理由です。
対策としては、将来的に賃貸部分を自宅として使えるよう、水回りや動線を大きく変えずに間取り変更できる設計にしておくことが挙げられます。
自宅部分も貸し出して、建物全体で賃貸物件に転用できるようにしておくのも1つの考え方です。
オーナーの顔が見えることによる入居率への影響
一般的なマンションやアパートと比べて、賃貸併用住宅は入居率に影響すると言われることが多い点も注意すべき要素です。
内見時に、オーナーが同じ建物にいることに心理的な抵抗を感じて敬遠する入居希望者は少なくありません。
また、家賃交渉や設備トラブルの相談を直接オーナーに言いにくい、更新や退去の意思を伝えにくいといった心理的なハードルも入居率低下の原因になることがあります。
対策として、管理会社への委託や共用部・動線の工夫でオーナーとの接点を最小化する方法があります。
一方で、オーナーが近くにいることのメリットを打ち出し、入居率を高めるのも1つの考え方です。
「何かあればすぐオーナーに相談できる」ことをメリットとして訴求すれば、むしろ強みになる可能性もあります。
アパート経営に比べて利回りが低くなりやすい
賃貸併用住宅は、通常のアパート経営と比べて利回りが低くなりやすい点もデメリットです。
建物の一部を自宅として使う分、賃貸に回せる面積がアパート全体を賃貸に使う場合より少なくなります。
純粋な収益物件として考えると、自宅と別にアパートやマンションなどを取得する方が利回りでは有利です。
ただし、賃貸併用住宅は家賃収入だけでなく、マイホームを別に購入・賃貸する費用を抑えられるという経済的なメリットもあわせて評価する必要があります。
賃貸部分のみの利回りで判断するのではなく、自宅取得コストの節約分も加味した実質的なメリットで収支を検討しましょう。
また、どれだけ賃貸戸数・賃貸面積を確保でき、利回りが期待できるのかも事前にシミュレーションが必要です。
賃貸併用住宅のデメリットは建物の構造でも対策できる

ここまで紹介してきた賃貸併用住宅のデメリットは構造によって差が出やすく、対策のしやすさも変わります。
前述した対策にくわえて、建物の構造によって賃貸併用住宅のデメリットを抑えるのも1つの考え方です。
例えば、マンションで主流の鉄筋コンクリート造(RC造)には、賃貸併用住宅に向いている次のような特徴があります。
- ・遮音性能が高く、生活音やプライバシーの問題を軽減しやすい
- ・法定耐用年数が長く、資産価値の低下が緩やかなため、将来の売却時にも評価を得やすい
- ・耐震性・耐災害性が高く、入居者に安心感を与えられるため、空室リスクを抑えやすい
実際に、これらの強みを理由に賃貸併用住宅を鉄筋コンクリート造で建てた施工事例を見てみましょう。

▶3棟目の賃貸経営でたどり着いた百年住宅の「収入住宅」【静岡県・収入住宅】
こちらは、1級施工管理技士の資格を持ち、賃貸経営は3棟目というベテランオーナー様が建てた、鉄筋コンクリート造の賃貸併用住宅です。

▶3棟目の賃貸経営でたどり着いた百年住宅の「収入住宅」【静岡県・収入住宅】
鉄筋コンクリート造を選んだ理由は、過去に経営されていた重量鉄骨造の物件が、台風などの自然災害で修繕費がかさんだことです。
災害で損壊しないことと、入居者の方に安心して住んでもらえることを重視し、鉄筋コンクリート造の賃貸併用住宅を選択されました。

▶3棟目の賃貸経営でたどり着いた百年住宅の「収入住宅」【静岡県・収入住宅】
設計面でも工夫が凝らされています。
通常、賃貸物件の1階は道路から居住空間が見えやすく入居率が下がりやすい傾向がありますが、こちらでは地上げによって視線を遮る対策が取られています。
こうした建物側の工夫は、賃貸経営を続けてきたオーナー様だからこその対策です。

賃貸併用住宅でよくある質問

最後に、賃貸併用住宅を検討するときによくある質問をまとめます。
Q.賃貸併用住宅でも住宅ローンは利用できますか?
A.一定の条件を満たすことで全体に適用できる可能性があります
賃貸併用住宅でも、自宅部分の床面積が建物全体の50%以上であれば、建物全体に住宅ローンを利用できる可能性があります。
自宅部分が50%未満の場合は、建物全体をアパートローン(不動産投資ローン)で借り入れるのが一般的です。
取扱いは金融機関によって異なるため、事前に確認しましょう。
Q.賃貸併用住宅は、どんな土地にでも建てられますか?
A.工業専用地域を除くほとんどの用途地域で建築が可能です
賃貸併用住宅は、住宅(共同住宅を含む)の建築が認められていない工業専用地域を除いて建築可能です。
ただし、第一種低層住居専用地域などでは建物の高さや規模に制限があり、賃貸部分の戸数や間取りが土地の条件によって変わります。
まずは検討している土地の用途地域を確認したうえで、住宅会社に相談することをおすすめします。
まとめ|賃貸併用住宅のご相談は百年住宅へ
賃貸併用住宅にはメリットだけでなくデメリットやリスクもあり「やめとけ」という意見もあります。
しかし、あらかじめデメリットを把握し対策をすることで、賃貸併用住宅のメリットを活かすことも可能です。
今回ご紹介した間取りや経営計画などの対策、鉄筋コンクリート造の採用なども含めて、賃貸併用住宅を検討してみてください。
百年住宅では、鉄筋コンクリート造による、資産価値や収益性の高い賃貸併用住宅づくりをお手伝いしています。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

