レポート&スタッフブログ
一般的に家庭で行っている地震対策というと、食料品の備蓄や防災用品の備えがあげられます。しかしそれらは命あってこその対策です。阪神淡路大震災による神戸市の死亡原因は、家屋倒壊による圧迫、窒息死によるものが過半数を占めました。
大地震から家を守ることが命を守ることにつながり、その後の暮らしを守ることにもつながります。家の基本性能を知ることができる耐震診断は地震対策の第一歩です。
過去の地震では木造住宅の一階に寝ていて圧死した人が多く報告されています。また2階建て木造住宅の場合は屋根瓦と2階の重みで、1階の柱が折れて建物がつぶれるケースが多いということがわかっています。
阪神・淡路大震災においては日本瓦を使っている日本家屋や、基礎が石に柱を乗せただけで、筋交いの少ない老朽化した木造住宅で倒壊による多くの死者が出ました。そのため以降神戸においては新築の瓦屋根はほとんどみられなくなりました。また、日本の伝統構法の流れを汲む木造軸組構法の住宅、筋交いなどが不十分な住宅も大きな被害になりました。
最近の地震においては耐震性を考慮に入れて建築基準法が改正された1982年以降に建築された物件の被害が少なかったことが報告されています。1982年以前の建築物件は、当時の建築基準法により設計されていて耐震性が弱い可能性があります。
静岡県内の市町村では、木造住宅の耐震化を強力に推し進める取り組み、住宅耐震化プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)-0(ゼロ)」が行われています。
木造住宅の耐震診断への助成は従来からありましたが、補助を受けてもなお、5万円程度の自己負担がかかるなどから、なかなか診断が進んでいませんでした。今回は、自己診断の診断票が今までのものより簡単にできるようになったほか、自己診断で専門家の診断が必要となった住宅については、自己負担なしで専門家の診断が受けられます。(平成13年度~平成20年度)
■プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)-0(ゼロ)の概要(静岡県)
http://www.taishinnavi.pref.shizuoka.jp/toukai0/index.html
■誰でもできるわが家の耐震診断
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/wagayare/taisin_flash.html