レポート&スタッフブログ
6月2日(月)
「壁式構造」とは、柱や梁を使わず、壁そのもので建物を支える構造です。
すっきりとした室内空間や高い耐震性が特徴ですが、壁の位置を変えるリフォームなどに制限があるといった制約もあります。
本記事では、壁式構造のメリットやデメリット、ラーメン構造との違い、見分け方までわかりやすく解説します。
新築一戸建てに耐震性を求める方は、ぜひご覧頂き参考にしてください。
住宅の構造にはいくつか種類がありますが、その中でも壁で建物を支える構造が「壁式構造」です。
一戸建てのほか、低層のアパートやマンションでも見られ、すっきりした見た目の内観や耐震性の高さが注目されています。
しかし、間取りの自由度や将来的なリフォームに制約がかかるケースもありますので、事前に特徴を把握することが重要です。
壁式構造は、柱や梁を使わずに耐力壁(構造壁)で建物を支える構造です。
現場でコンクリートを打設する方法のほか、工場で製作したコンクリート製のパネルを現場で組み立てる方法も該当します。
こうした壁式構造の主な特徴は以下の通りです。
壁式構造について調べると「WRC造」と呼ばれる構造を目にすることがあります。
WRC造とは「Wall Reinforced Concrete(壁式鉄筋コンクリート構造)」の略で、これは壁式構造の形式のひとつです。
壁式構造は木材で作られることもありますが、WRC造は建材がコンクリートに限られます。
壁式構造とラーメン構造は支え方も空間の特徴も異なりますので、用途や将来の使い方を考えるうえで理解しておきたいポイントです。
壁式構造は、壁そのものが建物の荷重や地震の力を支える方式ですが、ラーメン構造は柱と梁のフレームで建物を支える構造で、両者を比較すると以下のような違いがあります。
壁式構造
ラーメン構造
このように、同じ鉄筋コンクリート造の建物であっても異なる特徴を持ちますので、家を建てる際には木造、鉄骨などの建材に加えて、構造の形式についても把握することがおすすめです。
壁式構造の一種である百年住宅のWPC工法の住まいは阪神・淡路大震災やその他の巨大地震でも、窓ガラス1枚の破損もなく無傷です。
耐震性の高い住まいをご検討中の方は、「無傷」が証明する高い耐震性の家を建てる百年住宅にご相談ください。
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建売住宅やモデルハウスなどを見学する際、RC造に興味をお持ちの方は「この建物は壁式構造?ラーメン構造?」このように疑問を感じる場合もあります。
構造形式は間取りの自由度や建物の耐震性、将来の資産価値に直結しますので適切に見分ける必要があります。
壁式構造とラーメン構造を見分ける主な方法は次の2つです。
実際に物件を内見する際、以下のように室内の特徴からある程度は構造を見分けることができます。
ただし、内装リフォームで柱や梁が見えにくくなっているケースもありますので、気になる物件があった場合は、次の方法で正確に確認しましょう。
建物の構造形式は、法務局の登記簿謄本や建築確認申請書、設計図面などで確認できます。
見た目だけでは判断しづらいケースもありますので、気になる物件があった場合は資料で確認する、またはスタッフに確認することが大切です。
建物の構造形式は見た目や価格だけでなく、暮らし方や将来設計、資産価値にまで影響します。
壁式構造とラーメン構造、それぞれに優れた点がありますので、「どちらが正解」というよりは、どのような暮らしを望むかによって選び方が変わります。
1つ目の選び方は、家族構成や将来設計など、個人のライフスタイルによる選び方です。
2つ目の視点は、家の基本性能そのものに注目する選び方です。
快適性や安全性、省エネ性といった「暮らしの質」を重視する方には、壁式構造が最適です。
壁式構造は、壁全体で荷重や揺れを受け止める構造で、地震に強く、揺れを受けても室内の変形やズレが起きにくい特徴を有しています。
また、室内に柱や梁の出っ張りがないことから空間がすっきりと仕上がりますし、構造体が「面」で構成されることから気密性が高く、冷暖房の効率を高められ快適な温熱環境の暮らしを実現できます。
さらに、構造体の劣化が少なく、建物の性能を長期間にわたって維持しやすい点も壁式構造の特長です。長期的に「各種災害でも壊れにくく、修繕費も抑えられる住宅になる」ことから、安全性と経済性どちらの面からも安心できる選択肢となります。
記事の終わりに、壁式構造を選ぶことでどういった特徴の住まいが完成するのか確認します。
まずは壁式構造特有のメリットをお伝えします。
壁式構造は構造体そのものが壁で構成されているため、住まいの安全性や快適性、省エネ性能に優れた特徴を持ちます。
こうした特徴も含めて、壁式構造には以下のようなメリットがあります。
壁式構造の最大の魅力は、建物全体が箱のように一体化して揺れに強くなる点です。
地震による揺れを受けた際も、倒れないことは当然のこととして、壁全体で建物を支えることから損傷を受けづらく、被災後の生活再建が容易になる点は安心感につながります。
▶地震・津波・台風・竜巻といった各種災害から家族を守る、百年住宅の家
優れた耐震性や遮音性を持つ壁式構造ですが、一方で設計や住まい方に制約が出るケースもありますので、把握しておくことをおすすめします。
壁そのものが構造体となる壁式構造は、耐力壁の移動や撤去が難しいケースがあります。
このため将来的な間取りの変更やリノベーションの自由度が低いケースがあり、「ライフスタイルの変化に対応しにくい構造」と指摘されることもあります。
壁式構造を選ぶ場合は、長期的なライフプランを考慮したうえで設計することが重要といえます。
▶施工事例:30畳の大空間LDKと富士山が見える屋上ジャグジーのある家【沼津市】
壁式構造は、高い耐震性や遮音性、省エネ性能を兼ね備えた、安心で快適な住まいを実現できる構造です。
ただし、間取り変更の自由度や将来のリノベーションには一定の制限もあるため、ご自身のライフプランに合った選択が求められます。
「頑丈な住まいを長く安心して使いたい」とお考えなら、壁式構造(WPC工法)を採用し、実大実験や実際の大地震でも強度が実証されている「百年住宅」の住まいをご検討ください。
災害に強く長寿命な構造を追求した住まいで、ご家族の将来をしっかりと支えます。