鉄筋コンクリート(RC)造の家は、耐震性や耐久性、遮音性に優れた構造で、安心と快適さを兼ね備えた住まいとして人気です。 一方で、建築費用や間取り変更の可否など、事前に理解しておきたい注意点も存在します。 本記事では、鉄筋コンクリートの家を建てる前に知っておきたい8つのメリットと5つのデメリットを整理し、後悔しないための対策や依頼先選びのポイントまでわかりやすく解説します。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 鉄筋コンクリート(RC)造の家とは? ▶シンプルだけど木の温もりを感じる【白と木の家】 効果的な木目の使い方に注目!【静岡市】 鉄筋コンクリート(RC)造とは、鉄筋を組んで型枠を作り、その中にコンクリートを流し込んで固めた構造を指します。 高い耐震性、耐久性、遮音性を備えた住まいとして、都市部や災害リスクのある地域で人気が高まっています。 鉄筋とコンクリートで構成された住まい 鉄筋コンクリートの家は、「引っ張りに強い鉄筋」と「圧縮に強いコンクリート」を組み合わせた構造です。 この複合構造により、地震や台風といった外力に強く、耐火性も高い優れた性能を発揮します。 また、壁の厚みがあるため遮音性、断熱性にも優れており、騒音やヒートアイランド現象といった問題を抱える都市部での快適な居住性もサポートします。 SRC、S、木造との違い 建物には、鉄筋コンクリート以外にも、SRC、S、木造といった構造の種類がありますので、家づくりの際は把握しておきましょう。 それぞれの特徴は次のとおりです。 RC(鉄筋コンクリート造):耐震、耐火、遮音性が高い。コスト・施工期間は長め。 SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造):RC造よりさらに強度が高い。費用が高く、主に高層ビル向け。 S(鉄骨造):鉄骨を柱や梁に使う構造。軽量で工期が短く、コストも比較的抑えやすい。 木造:コストが安く自由度も高いが、耐火、耐久性は他構造の方が優れる。 鉄筋コンクリートの家を建てる8つのメリット 鉄筋コンクリート造の住宅は、性能・耐久性など複数の優れた特徴を持ちます。 具体的には、次の8つの特徴です。 耐震性が高い 耐久性が高い 遮音性が高い 耐火性が高い 浸水被害に強い 断熱性が高い メンテナンスが容易 資産価値を維持しやすい (1)耐震性が高い 鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造により揺れに強く、震度7クラスの地震にも耐えられる高い耐震性を発揮します。 損傷を受ける可能性も抑えられますので、複数回発生する地震に対しても安心です。 ▶大地震でも安心「無傷の住まい」が分かるカタログ4点セットはコチラ (2)耐久性が高い 鉄筋コンクリートは、木材のように腐食やシロアリ被害を受けることがなく劣化しにくい素材です。 適切なメンテナンスを行えば、100年近くにわたって高い性能を維持できます。 ▶最長100年保証、百年住宅の住まい (3)遮音性が高い 分厚いコンクリートの壁は、外部の騒音をしっかり遮断します。 幹線道路沿いや市街地など騒がしい環境でも、室内では静かな暮らしが実現できます。 ▶関連記事:RC造はうるさいのか?メリット・デメリット、他の構造との違いも解説 ▶遮音性が高いWPC工法の住まい (4)耐火性が高い コンクリートは不燃材料であり、火災が起きても延焼リスクが低く火の回りが遅い点が特徴です。 防火地域や準防火地域など、耐火性能が求められる地域でも選ばれる構造です。 ▶耐火性が高いWPC工法の住まい (5)浸水被害に強い 基礎と構造体がコンクリートで一体となっていることから、浸水時にも被害が少なくカビや腐敗、流出のリスクも抑えられます。 津波や洪水など、水害が想定されている地域でも安心です。 ▶関連記事:南海トラフ地震が起こるとどこが危ないのか|県やエリア・対策も解説 ▶RC造の屋上に設けるタイプの津波シェルターペントハウス (6)断熱性が高い コンクリートの蓄熱性と断熱材の併用により、外気の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保ちやすくなります。 冷暖房効率も向上し、省エネ性を高めることにもつながります。 (7)メンテナンスが容易 コンクリートは劣化が遅く、塗装の頻度や修繕の手間が少ない点が特徴です。 再塗装や外装の葺き替えなど、木造住宅などでは頻繁にかかる手間を省けます。 (8)資産価値を維持しやすい 法定耐用年数が長く、構造の堅牢さから築年数が経っても評価が下がりにくい点が鉄筋コンクリートの家の強みです。 また、被災時に損傷を受けづらく、経済的な負担を抱えづらい点もメリットです。 ▶百年住宅のWPC住宅は過去の大地震でも「無傷」 鉄筋コンクリートの家を建てる5つのデメリット 利点が複数ある鉄筋コンクリートの家ですが、次のとおり注意しておきたい点もありますのでご紹介します。 建築費用が高め 施工期間が長め 熱を蓄える特性がある(夏場の暑さ) 熱を蓄える特性がある(冬場の寒さ) 間取り変更を伴うリフォームをしづらい なお、それぞれのデメリットには対策もあります。 ご紹介しますので、気になる方はハウスメーカー選びや設計の段階で参考にしてください。 鉄筋コンクリートの家の後悔を防ぐ対策 鉄筋コンクリートの家のデメリット、また後悔を防ぐためには、次の3つの対策を検討しましょう。 プレキャスト工法など費用を抑える工夫を加える 高性能な断熱材と気密工法を導入する リフォームを見据えて構造体を計画する プレキャスト工法など費用を抑える工夫を加える 鉄筋コンクリートの家は、木造に比べて建築費用や工期がかかる傾向があります。 経済的な負担を軽減する方法の一つが「プレキャストコンクリート」の活用です。 プレキャストとは、あらかじめ工場で成型されたコンクリート部材を現場で組み立てる工法で、現場作業の簡略化と品質の安定化を図れます。 型枠工事や養生の時間を節約できるため、工期の短縮や人件費の圧縮にもつながり、トータルコストを抑えながら鉄筋コンクリートの高性能を活かした家づくりが可能になります。 高性能な断熱材と気密工法を導入する 鉄筋コンクリートは蓄熱性に優れている反面、夏は熱がこもりやすく、冬は一度冷えると室温が上がりにくいという弱点があります。 こうした温熱環境の課題をクリアするには、断熱性と気密性を高めることが重要です。 たとえば空気層も含めた複層構造で外気と内気を遮断することで、暑さ寒さが伝わらず、また結露も防げる快適な暮らしを実現可能です。 ▶二重壁四層構造で結露の快適な住まいに リフォームを見据えて構造体を計画する 鉄筋コンクリートの家は構造がしっかりしている分、壁や柱が建物の強度に深く関係しており、間取り変更を伴う大規模リフォームが難しいことがあります。 将来的なライフスタイルの変化に対応するためには、設計段階から「スケルトン・インフィル(SI)住宅」の考え方を取り入れることがおすすめです。 構造体(スケルトン)と内装・設備(インフィル)を分離して設計する手法で、後々の間取り変更や設備更新のしやすさにつながります。 長く快適に暮らせる家にするためにも、構造体の柔軟性は意識しておきたいポイントです。 鉄筋コンクリートの家を建てる、依頼先の選び方 鉄筋コンクリートの家は、木造とは異なる専門的な技術が求められるため、依頼先の選定が重要になります。 構造設計や現場管理に慣れた実績ある業者を選ぶことで、コストや品質、安心感のすべてを確保することが可能です。 鉄筋コンクリート造の住宅の施工実績が豊富か 構造設計、耐震設計の専門知識があるか 一貫体制(設計~施工)で対応しているか 断熱、気密、遮音性など性能面に強いか 将来のメンテナンス、リフォームにも対応できるか 予算や希望に合わせた柔軟な提案ができるか こうした特徴の有無を確認しましょう。 各社のホームページには、実績の有無やデメリットへの対策、また得意とする工法やメリットなど情報が掲載されています。 気になる会社があった場合は、紹介したポイントを意識して確認してみましょう。 ▶百年住宅が建てる、鉄筋コンクリートの家の「施工事例」 ▶百年住宅が建てる、鉄筋コンクリートの家の「性能」について まとめ│鉄筋コンクリートの家は「百年住宅」まで ▶『海を眺めながら暮らしたい。』を叶える、屋上に津波シェルターの付いた“津波に強い家”【静岡市】 鉄筋コンクリートの家は、耐震性・耐久性・遮音性など、安心して長く暮らせる性能を備えた住まいです。 一方で、費用や断熱、リフォームなどにおいては事前の理解と対策が欠かせません。 今回紹介したメリット・デメリット、後悔を防ぐための対策や依頼先選びのポイントをふまえて、ぜひ後悔のない家づくりを進めてください。 鉄筋コンクリートの家に特化し、高性能かつ快適な住まいを提供している「百年住宅」では、専門スタッフが設計から施工まで丁寧に対応しています。 安心できる家づくりを目指すなら、まずは百年住宅までお気軽にご相談ください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現
「地震に強い家を建てたい」 家を建てる方の多くは、家づくりをする際にこうした希望を持っています。 日本のように地震の多い国では、揺れに耐えられる特徴を持つ建物が欠かせません。 また、地盤や二次災害といった建物以外の要素への配慮も必要です。 本記事では、地震に強い家を実現するための15の特徴と工夫をわかりやすく解説します。ご自身とご家族を守る住まいを建てるためにぜひ参考にしてください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 今、地震に強い家が求められる理由とは? ▶引用:内閣府 中央防災会議が想定している主な大規模地震 日本に暮らす以上、地震への備えは避けて通れません。 特にここ数年は、大規模な地震についてのニュースが多く見られることもあり、次のような理由で「地震に強い家」を選ぶ動きが加速しています。 南海トラフ巨大地震などの発生が懸念されている 首都直下地震など、都市部が被災する地震の発生が懸念されている 直近の地震(能登半島地震など)で倒壊、損壊した住宅の被害が大きかった ▶大地震でも安心「無傷の住まい」が分かるカタログ4点セットはコチラ 『地震に強い家』15の特徴・構造 では、具体的に地震に強い家を建てるためにはどうすればよいのでしょうか。 代表的な15の特徴や構造についてお伝えします。 地震に耐える「構造や建材、設計」の工夫 はじめに紹介するのは、建物本体の耐震性を高める、構造や建材、設計に関する工夫です。 (1)耐震等級2、3を取得している 耐震等級は建物の耐震性能を3段階で示す基準で、適合するように家を建てることで耐震性を高められます。 等級1が建築基準法レベルに相当し、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の耐震性能を有します。 なお、耐震等級を高めた場合でも、建物に加わるダメージの蓄積は避けられませんので、ダメージを軽減する、またはダメージを受け付けない強靭な構造体にするといった対策が求められます。 (2)上下階で柱や壁の位置が一致している(直下率が高い) 直下率とは、2階の柱や壁が1階の柱・壁の上にどれだけ重なっているかを示す指標です。 直下率が高いほど加わる地震力を地盤へとバランスよく伝えることができ、建物に加わるダメージを軽減できます。 構造上の安定性を高めるために、重要となる考え方です。 (3)正方形や長方形など、シンプルな形状 ▶施工事例:平屋の暮らしで好きなものだけを心地よく。老後も見据えた、無駄なく好きをかたちにした住まい。【牧之原市】 建物の形状が複雑になると、地震時に揺れが一部に集中しやすくなります。 逆に凹凸の少ないシンプルな形状は、揺れの力を均等に分散させるため有利です。 たとえば正方形、長方形などにして、地震の揺れが集中する箇所を少なくすることが重要です。 (4)窓や玄関ドアなど開口部が偏っていない 窓や玄関ドアなどの開口部が建物の一方向に集中すると、建物の「偏心率(建物の重さの中心と、建物を支える力の中心のズレ)」が高くなり、揺れの際にねじれが生じやすくなります。 建物にねじれが発生すると損傷の危険性が高まりますので、開口部の位置や量は四方向にバランスよく配置されるよう設計することが大切です。 (5)採用している建材の強度が高い 地震に強い家を建てるには、柱や梁、耐力壁といった構造部材の強度が重要です。 たとえばRC造(鉄筋コンクリート造)は、地震の揺れで建物に加わる引張、圧縮どちらの力にも耐える特徴を持ちます。 また、同じRC造でも、工場で厳密に品質が管理された方が強度が高く、こうした建材を利用したWPC工法などを積極的に利用することがおすすめです。 ▶工場生産の鉄筋コンクリートパネルを利用するWPC工法 (6)構造体の耐久性が高い 建物の耐久性は、構造体が地震に長く耐え続けられるのかを示す指標です。 税金を計算する際に利用される減価償却の考え方では、木造住宅の法定耐用年数は22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年とされています。 適切にメンテナンスすればより長期間に渡って建物を利用できますので、構造体の強さに加えて、長期にわたって性能を維持できる特徴も重視するべきです。 ▶最長100年保証、百年住宅の住まい (7)屋根に軽量な建材を使用している 屋根が重いと地震の揺れによって建物が振り子のように大きく揺れ、構造体への負担が増します。 瓦屋根に比べて軽量な金属屋根やスレート材などは、重心が下がることで揺れにくくなり耐震性の向上につながりますので、耐震性を高めるためには軽量屋根がおすすめです。 揺れを抑える「地盤や揺れ、生活空間」への対策 建物本体の耐震性に加えて、発生した地震の揺れを抑える各種対策も重要です。 具体的には、地盤への対策や揺れを吸収する技術が該当します。 (8)強固な地盤に建てられている 建物の耐震性に加えて、強度の高い地盤に家を建てることも重要です。 強固な地盤の例としては、支持層が浅い箇所にある「台地・山地・段丘」などが挙げられます。 一方、沖積層や埋立地など海の近くや川の近く、谷地といった地形にある軟弱地盤は揺れやすく、液状化の危険性も高いため地盤調査と改良が求められます。 ▶軟弱地盤への適切な対応で安心の百年住宅の家 (9)共振現象への対策を取っている 地震の揺れと建物の周期(地震の揺れが繰り返されるタイミング)が一致すると、揺れが増幅する「共振現象」が起こります。 共振を防ぐには、建物の高さや構造を工夫し、固有周期を調整する必要があります。 たとえば、大地震で生じがちな「0.6~1.2秒」の周期を避けられる、RC造の構造体が該当します。 ▶固有周期の短いWPC工法 ▶関連記事:地震における『固有周期』とは?RC住宅が地震に強い理由を揺れの特徴から解説 (10)制震、免震といった地震対策を取っている 「制震」は建物内部にダンパーなどを設置し、揺れのエネルギーを吸収する技術です。一方「免震」は建物と地盤の間に装置を設けて、揺れ自体を建物に伝えにくくします。 どちらも従来の耐震構造に加えて導入することで、揺れによるダメージの軽減が期待できます。 ただし、制震、免震といった装置が実際に役立つのは、設置後年数が経過して地震が発生したときです。 このとき正常に作動するかは分からず、また部品や装置の交換といった適切なメンテナンスが必要である点にも注意が必要です。 制震、免震を含めてどんな装置も故障や劣化のリスクは抱えていますので補助的なものと捉え、最終的には建物そのものが地震に耐えられる設計であることが重要です。 ▶関連記事:耐震構造とは?制震・免震との違い、地震に強い家にする方法を解説 (11)家具や家電に対して適切な地震対策をとっている 建物が無事でも、室内の家具や家電が倒れればケガや二次災害の原因になります。 L字金具での固定、耐震ジェルの使用、転倒防止ベルトの設置などが有効です。冷蔵庫やテレビなど重心が高い家電にも対策を施すことで、安全性が大きく高まります。 総合的な安心を支える「二次災害対策と実績」 地震への備えは、直接的な被害のほか、被災後の生活水準を維持するための対策も含まれます。 (12)二次災害への対策を取っている(津波対策) 津波の危険性がある地域では、高台に建てる、高基礎を採用する、避難経路を確保するといった対策が重要です。 ハザードマップを確認し、津波到達時間や想定水深に応じて建物の立地や構造を検討することで、命を守る対策が可能になります。 津波を受けても流出しない、津波対策を講じることも重要です。 ▶自宅設置の屋上シェルターで突然の津波も安心 ▶関連記事:南海トラフ地震発生時どこに逃げる?避難行動の想定や事前の対策も紹介 (13)二次災害への対策を取っている(火災対策) 地震後にはガス漏れや電気火災による火災リスクも高まります。 延焼を防ぐには、隣家との距離を取ることや防火仕様の外壁、屋根材の採用が有効です。 感震ブレーカーや自動ガス遮断機器の導入など、設備面での備えも火災被害を最小限に抑える手段です。 ほかにも、外壁に不燃性の高い建材(鉄筋コンクリートなど)を利用することが挙げられます。 ▶二次災害(火災)にも強い百年住宅の家 (14)地震に遭遇しても倒壊、損壊しない実績を持つ 過去の震災で倒壊や損壊を免れた住宅は、その設計や工法が実証されているといえます。 地震後の被害報告や建築会社の実績を確認することで、信頼できる構造や工法を見極めることができます。 こうした会社は地震に耐えた、または損傷を避けられたことを広く公表していますので、気になる会社のホームページを確認してみましょう。 ▶百年住宅のWPC住宅は過去の大地震でも「無傷」 (15)地震発生後の復旧を想定している 倒壊を免れても、生活インフラの停止や設備の損傷があれば日常は戻りません。 太陽光発電+蓄電池の導入、水や非常食の備蓄、応急修理を想定した設計など、復旧を見越した備えが重要です。 地震に遭遇した場合に、建物本体が重大な損傷を受けない強度にすることも検討しましょう。 まとめ│地震に強い家を「百年住宅」で実現 ▶施工事例:海辺のリゾートホテルのような心地よい風を感じる家【静岡市】 地震に強い家を実現するためには、構造や設計、建材に加えて、地盤・共振・二次災害までを考慮した総合的な備えが重要です。 ご紹介した15の特徴をふまえて、ご自身とご家族の命を守る住まいを選びましょう。 「百年住宅」では、鉄筋コンクリートで構成されるWPC工法など高耐久の構造を採用し、震度7にも耐える家づくりを実現しています。 大きな地震に対しても安心、安全な家を建てたい方は、大地震で「無傷」の実績を持つ百年住宅までぜひ一度ご相談ください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現
「静岡の地震はやばいと聞いたのですが、本当ですか?」 このように指摘されるのは、南海トラフ地震の震源域に近い静岡県が、大規模な揺れや津波により大きな被害を受ける可能性があるからです。 本記事では、静岡県の地震の特徴や被害の想定、個人でできる7つの備えについても紹介します。 地震への不安を「備え」で、安心に変えるヒントをお届けします。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 「静岡の地震はやばい」は本当? 「静岡の地震はやばい」という指摘は本当なのでしょうか。 公的機関により、地震や津波などの被害の想定が公表されていますので、その実態を見ていきましょう。 静岡県の地震の特徴を紹介 ▶引用:地震本部 静岡県の地震活動の特徴 静岡県は、海溝型地震と内陸型地震、どちらの地震も発生する可能性がある地域です。 上の図の中で、海側から伸びる青い線が南海トラフに関連する地震の原因となった影響範囲です。 一方で富士山の周辺地域に引かれた赤い線が内陸側の断層を示しています。 このように、静岡県は海と陸、どちらでも地震が起きる可能性がある特徴を持っています。 また、南海トラフ側で地震が発生した場合には津波が到達する可能性もありますので、地震に加えて津波への備えも求められます。 実際に過去に静岡県では、以下のとおり大きな地震が発生し被害が生じています。 1854年 安政東海地震:津波を伴う甚大な被害 1944年 東南海地震:静岡西部に強い揺れ 1945年 三河地震:静岡西部で強い揺れ 2009年 駿河湾地震:駿河湾を震源とする地震 今後も大規模な地震が発生する可能性はありますので、地震と津波、両面への備えが欠かせません。 南海トラフ地震が起きた場合の被害想定を確認 南海トラフ地震が発生した場合、静岡県では震度7の揺れに加え、津波や液状化による被害が想定されています。 揺れと津波、液状化、3つの視点から被災リスクを確認しておきましょう。 想定される震度分布と揺れの規模 ▶引用:静岡県 静岡県で想定されている地震 南海トラフ地震が発生した場合、静岡県では震度6強〜震度7の揺れが広範囲で想定されています。 特に静岡市、焼津市、磐田市、掛川市などは震度7クラスの強震域に含まれ、建物に対する大きな被害が考えられます。 また、山間部での土砂崩れ、道路やライフラインの寸断など、二次被害の発生も懸念されます。 ▶関連記事:南海トラフ地震が起こるとどこが危ないのか|県やエリア・対策も解説 津波の浸水域と津波高 ▶引用:静岡県 津波の起きる仕組み 静岡県沿岸部では、南海トラフ地震発生時に最短数分から24分以内に津波が到達する想定がなされています。 また、津波高さは静岡市で12m、下田市では最大33mの津波が想定されています。 ▶引用:静岡市 津波ハザードマップ 市が公表している津波浸水予測によると、海岸から内陸1〜3kmにわたり浸水する地域も存在しますので、内陸側で家を建てる場合でも注意が必要です。 液状化の危険性と被害想定 静岡県の沿岸部や河川沿いの低地では、液状化現象による建物傾斜や道路陥没などの被害も想定されています。 液状化が発生した場合、次のような被害につながります。 住宅の傾きや不等沈下 敷地や駐車場などでの陥没や隆起 上下水道管の破損などライフラインの損傷 液状化についても、建築を予定している地域での被災予測と、地盤改良など具体的な対策を検討することが重要です。 なお、液状化被害の発生する地域のほか、各種災害について静岡市ではオンラインで情報を閲覧できるサービスがありますので利用しましょう。 ▶参考:静岡市 地理情報システム 静岡県の地震、津波対策7選 ご紹介したように、静岡県では地震や津波の被害に遭遇する可能性はあります。 では、災害に対してどういった対策を取ればよいのでしょうか。 個人でも備えられる、具体的な7つの対策を紹介します。 地震に強い住まいの建築 津波に強い住まいの建築 家具や家電、ガラスの飛散対策 二次災害としての火災対策 ハザードマップ、避難所などの確認 非常時の食料品、日用品の備蓄 非常時の連絡手段の確立 地震に強い住まいの建築 地震や津波への備えとして、住まいそのものの強度を高めることは重要です。 家を建てるとき、借りるときには以下の点に注意しましょう。 耐震性の高い住宅を選ぶ 壁や柱などの配置バランスに優れた間取りにする 壁式構造など揺れを受けても変形しづらい構造を採用する 地震の被害を避けた実績のある会社に依頼する 中でも重要なポイントは、過去に地震の被害を受けても倒壊や損傷をしなかった実績です。 耐震等級3や制震、免震といった対策をとっていても、施工精度の問題などで倒壊、損傷する可能性はあります。 一方で過去に大きな地震を受けても倒壊を避けられた実績がある会社であれば、これから建てる家についても地震を耐える可能性が高まります。 ▶百年住宅の住まいは、過去の巨大地震でも「無傷」の実績 ▶関連記事:【地震に強い家】15の特徴・構造を解説│地盤、建物から被災後の対策までご紹介 津波に強い住まいの建築 津波被害を防ぐためには、立地選びや建築計画の工夫がポイントです。 具体的には、次のような対策を意識しましょう。 津波浸水想定区域を避けて土地を選ぶ 高台に建てるか、建物自体の高床化を検討する 避難ルートや避難先を確保しやすい場所を選ぶ 基礎と一体化したRC造で流出を防ぐ 屋上に避難スペースを設ける 建築予定地が津波の被災範囲に含まれていて、なおかつ周囲に高台などがない場合は、RC造にして流出対策をした上で、屋上に避難スペースを設けることが効果的です。 ▶津波を受けても命と財産を守れる「津波シェルターペントハウス」 家具や家電、ガラスの飛散対策 揺れによるケガを防ぐには、身の回りの安全対策が欠かせません。 建物への地震対策に加えて、次のような工夫を取り入れましょう。 家具はL字金具や耐震マットで壁に固定する テレビや冷蔵庫など大型家電に転倒防止器具を設置する 食器棚や窓には飛散防止フィルムを貼る ベッド周辺には落下物を置かない配置にする こうした対策を取れば、転倒や落下、飛散物を踏み抜くといったリスクを抑えられます。 二次災害としての火災対策 地震の発生後は、使用していたストーブやガスコンロなどによって火災の発生リスクも高まります。 火災に備えるためには、次のような対策を検討しましょう。 石油ストーブなど転倒しやすい暖房器具を使用しない 電源タップにはホコリ防止カバーを使用する カーテンや棚の近くにコンセントを集中させない 感震ブレーカーや分電盤遮断装置を設置する なお、火災対策は紹介した「起こさないための対策」に加えて、周囲で火災が発生した場合に「類焼被害を避ける対策」も重要です。 たとえば耐火性の高いWPC造(コンクリート製)の住まいでは、隣家まで2mの距離で出火したケースでも燃え移らなかった実績があります。 ▶2.0mの隣家からも延焼を受けない、百年住宅の「WPC造」 ハザードマップ、避難所などの確認 地震や津波の被害を避けるには、地形とリスクの把握が不可欠です。ハザードマップの確認を中心に、次の行動を実践しましょう。 地元自治体のハザードマップを確認 避難所の場所と経路を家族で共有 高台や津波避難ビルの位置を確認 夜間や雨天時の避難も想定してルートを確認 地震や津波といった災害は突然発生します。 このため、いつ被災しても行動できるように、平時の今だからこそハザードマップを確認して、危険な場所や避難所までのルートを確認しましょう。 ▶関連記事:南海トラフ地震発生時どこに逃げる?避難行動の想定や事前の対策も紹介 非常時の食料品、日用品の備蓄 被災時は電気やガスなどのライフラインとともに、食料品などの運搬が滞る可能性があります。 国が公表している以下の備蓄品のリストを確認して、食料品や日用品を確保しましょう。 ▶参考:首相官邸 災害が起きる前にできること 非常時の連絡手段の確立 ライフラインに加えて、通信手段が遮断されたときの備えも忘れてはいけません。 次のように、被災時もご家族と連絡を取れるよう複数の手段を家族で決めておきましょう。 災害用伝言ダイヤル(171)やWeb171の使い方を確認 安否確認アプリを家族で共有 集合場所や連絡が取れないときの行動を決める(自宅に集合など) モバイルバッテリーを備蓄、充電しておく 「電波がつながらない」という状況は発生することを前提に準備をしておくことが肝心です。 まとめ|静岡の地震対策は「揺れに強い家」から ▶『海を眺めながら暮らしたい。』を叶える、屋上に津波シェルターの付いた“津波に強い家”【静岡市】 静岡県は、南海トラフ地震による強い揺れや津波、液状化といった複合的なリスクを抱える地域です。 こうした災害に備えるには、ハザードマップの確認や備蓄などに加えて、自宅を「地震に強い仕様にする」など住まいの耐震性を高めることも有効です。 百年住宅は、WPC工法による圧倒的な耐震性と、津波や火災にも強い強靭な住まいづくりを実現しています。 過去の大地震でも「無傷」の実績を持つその構造は、家族の命と暮らしを守る心強い選択肢となるはずです。 大地震は「いつか」ではなく「いつ起きてもおかしくない」ことを意識しましょう。 静岡で安心して暮らすために、まずは地震に強い家づくりから始めることをおすすめします。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現
地震による建物倒壊の原因のひとつに「共振現象」があります。 共振とは、建物の揺れの周期と地震の揺れの周期が一致することで揺れが大きくなり、被害が拡大する現象です。 特に木造住宅や古い建物では、共振によって倒壊リスクが高まるケースがあります。 本記事では、共振の仕組みや実際の地震被害の例を紹介しながら、共振を防ぐために重要な家づくりや地震対策のポイントをわかりやすく解説します。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 共振現象とは? 地震時に建物が激しく揺れて倒壊する原因のひとつが「共振現象」です。 地震の揺れと建物固有の揺れの周期がかみ合うことで、想定以上の被害を引き起こすおそれがあります。 共振現象:地震に関連して建物に起きる「危険な揺れ」 共振現象とは、地震の揺れの周期と建物の固有周期が一致することで建物の揺れが増幅される現象です。 「周期」とは、揺れが一往復する間の時間のことを指します。 想定以上の振動が建物に生じて構造体に大きな負荷がかかりますので、共振は地震において避けるべき現象のひとつとされます。 ▶関連記事:地震における『固有周期』とは?RC住宅が地震に強い理由を揺れの特徴から解説 共振現象が起きる条件:周期の一致 共振が発生する原因は、建物の固有周期と地震の揺れの周期が一致することです。 たとえば、一般的な木造住宅の固有周期は1.0秒前後とされていて、発生する地震の揺れの周期が同様に1.0秒前後であれば、共振の発生によって被害が拡大するおそれがあります。 ほかにも、鉄骨造の場合は0.6秒前後、高層ビルの場合は5秒前後など、建物の構造や高さ、材質や劣化の状況によって固有周期は異なりますので、設計段階で共振の発生リスクを評価することが重要です。 阪神・淡路大震災や能登半島地震の実例 1995年の阪神・淡路大震災では、1秒から2秒ほどの周期の地震による被害が多数発生したことが報告されています。 また、能登半島地震においても、同様の周期の揺れが発生したことが被害を拡大させたと指摘されます。 一方で東日本大震災については1秒よりも短い周期で地震が発生したことから、揺れ自体による被害は限定的です。 このように、地震の揺れによる被害を防ぐためには、共振を避ける対策を検討することが効果的であることが分かります。 ▶大地震時に多い地盤の周期:0.6~1.2秒 共振を防ぐには?家づくりや地震対策のポイントを紹介 このように被害を拡大させる可能性がある共振現象、防ぐにはどうすればよいのでしょうか。 以下のとおり建物の構造や地盤、揺れへの備え方を工夫することで、被害を抑えることが可能です。 建物の固有周期と揺れの周期をずらす 壁全体で力を受け止める「箱型構造」で共振に強くする 制震、免震など揺れを抑える技術を導入する 建物本体を支える基礎の構造を強化する 地盤調査、必要に応じて地盤改良を実施する 建物の固有周期と揺れの周期をずらす 共振現象は、建物の固有周期と地震の揺れの周期が一致することで起こります。 このため、共振を防ぐには「周期をずらすこと」を意識した設計が有効です。 たとえば、工場生産の高品質なコンクリートパネルを使用するWPC工法を採用した住宅では、建物の固有周期は0.16秒前後になります。 大きな地震で遭遇する危険性の高い0.6~1.2秒の周期と合致する可能性を下げられ、共振現象による被害を避けられます。 ▶固有周期0.16秒で地震の周期を避けるWPC工法 壁全体で力を受け止める「箱型構造」で共振に強くする 共振に強い家づくりには、「箱型構造(壁式工法)」が効果的です。 柱や梁に負荷が集中する軸組工法とは異なり、壁や床、天井といった面全体で地震の力を受け止めるため、揺れによる外力が分散されやすく構造が変形しにくい点が特徴です。 実際に壁式工法を採用している百年住宅では、阪神・淡路大震災や熊本地震など、大地震を受けてもガラス一枚割れず「無傷」の実績を残しています。 ▶大地震でも無傷の実績を残す、百年住宅の「箱型構造(壁式工法)」 制震、免震など揺れを抑える技術を導入する 建物に加わる地震の揺れそのものを抑える方法として、「制震」や「免震」といった技術の導入も効果的です。 制震は、制震ダンパーなどの装置を建物内部に設置して揺れのエネルギーを吸収、拡散させる方法。 免震は建物と基礎の間に装置を設けて、揺れ自体を建物に伝えにくくする技術です。 どちらも地震による揺れを抑えますので、共振による被害の軽減を期待できます。 建物本体を支える基礎の構造を強化する ▶基礎構造の強化による共振対策 地震時の共振現象を抑えるには、建物だけでなく「基礎」部分の強化も重要です。 基礎が弱い、または劣化していると建物の固有周期が長くなり、共振が発生する可能性が高まります。 基礎コンクリートの幅を大きくする 基礎内部に設置する鉄筋の量を増やす 基礎と建物の接合部を強化する こうした対策を実施して地盤と建物を一体化し、共振の発生確率を減らしましょう。 ▶関連記事:【地震に強い家】15の特徴・構造を解説│地盤、建物から被災後の対策までご紹介 地盤調査、必要に応じて地盤改良を実施する ▶地盤調査、地盤改良による共振対策 建物と地震による揺れの周期が一致するかどうかは、「地盤の性質」が深く関係しています。 柔らかい地盤では周期が長くなり、建物と共振しやすくなるリスクがあります。 そのため、建築前には地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を施すことが重要です。 地盤改良によって、地盤が原因となり周期が長くなる可能性を減らし、共振のリスクを減らせます。 地震、共振に関する「よくある質問」(Q&A) 共振現象に不安を感じている方のために、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。 地震に強い家づくりを考えるうえで、知っておきたいポイントを押さえましょう。 Q.自宅が共振するか分かる方法はありますか? A.自宅が地震時に共振するかどうかは、正確に把握することは困難です。 その理由は、発生する地震によって揺れの周期が異なることにあります。 一般的には大地震の揺れの周期は0.6~1.2秒ほどですので、設計の段階で建物の固有周期を一致させない対策がおすすめです。 ▶固有周期0.16秒で地震の周期を避けるWPC工法 Q.耐震等級3でも共振は起こりますか? A.耐震等級は「壊れにくさ」を示す指標であり、共振の発生を防ぐものではありません。 建物の固有周期と地震の揺れの周期が一致すれば、耐震等級にかかわらず共振は起こりえます。 このため、耐震性を高めることに加えて、固有周期の短いRC造を選択する、バランスの取れた間取りにするなど、「共振への備え」も併せて検討することが大切です。 Q.地盤や立地によって共振の発生率は変わりますか? A.地盤や立地条件は、共振の発生リスクに影響します。 たとえば、柔らかい地盤では地震時の揺れが長周期になりやすく、建物本体の固有周期が短い場合でも、共振が発生する危険性が高まります。 また、谷地・埋立地・斜面地なども特有の揺れ方をするため注意が必要です。 建物の設計前に地盤調査を行い、地盤の特性を把握した上で対策を講じることが重要です。 Q.共振対策はリフォームでもできますか? A.共振対策は新築だけでなく、リフォームでも実施可能です。 たとえば、耐力壁の追加、間取りの見直しや制震ダンパーの後付けによって、建物の振動特性を修正できます。 また、基礎の補強や地盤改良なども、状況に応じて対応可能です。 既存住宅の共振対策には、耐震診断と専門家のアドバイスが欠かせません。 まとめ|共振を防ぐ住まいは「百年住宅」まで ▶重厚感のあるコンクリートが際立つモダンな外観。そして、大人のプレミアム空間がある、高台に悠然と佇む家。【静岡市】 共振現象は、地震による被害を大きくする原因のひとつです。 地盤の特性を正しく把握するとともに、建物の構造体(木造、鉄骨、RCなど)やバランス、基礎に対する強化など対策を取り入れることで、共振の発生リスクを抑えることはできます。 なお、個別に対策を考えることも重要ですが、安心して暮らせる家を実現するには、地震や共振への深い知見を持った住宅会社に相談することが重要です。 「百年住宅」は、WPC工法によって固有周期0.16秒の住まいを建てられます。 共振の発生リスクを抑える根本的な対策となりますので、共振を避ける家づくりをご検討中の方は、「百年住宅」へお気軽にご相談ください。
「耐震構造とよく聞くけど、実際どんな仕組みなの?」 このような疑問を感じたことはありませんか? 本記事では、耐震構造の定義や基本的な考え方をはじめ、制震構造や免震構造との違いもわかりやすく解説します。 あわせて、木造や鉄骨、鉄筋コンクリートなど建物構造ごとの耐震性能の特徴や、住宅の耐震性を高めるためにできる家づくりの工夫も紹介しますので、これから住宅を建てる方はぜひ参考にしてください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 耐震構造とは? 「耐震構造とは?」と疑問をお持ちの方に向けて、はじめに耐震構造の定義や基本的な考え方をご紹介します。 地震に強い住まいを目指すなら、まずは耐震構造の基本を確認しましょう。 耐震構造の定義と基本的な考え方 ▶施工事例:シンプルだけど木の温もりを感じる【白と木の家】 効果的な木目の使い方に注目!【静岡市】 耐震構造とは、地震の揺れに「耐える」ことを目的とした構造のことです。 地震の揺れが建物に伝わっても倒壊や崩壊を防げるよう、以下のとおり柱や梁、壁といった構造部分を強化して設計します。 構造用合板や筋交いなどの耐力壁を適切に配置 柱や梁、壁の接合部を金物などで強化 基礎と建物の接合部の固定を強化し構造全体の一体性を高める こうした工夫を施し、地震の揺れを受けても倒壊、損傷しづらい家を目指します。 耐震構造は、現在の建築基準法でも最低限求められる基本構造であり、住宅やマンションを問わず多くの建物に採用されています。 耐震構造の歴史(新旧耐震基準など) 耐震構造の基準は、過去に発生した大地震を教訓に進化してきました。 特に大きな転機となったのは、1981年の建築基準法改正です。 この年以前に建てられた建物は「旧耐震基準」に基づき、震度5程度までの地震に耐える設計でした。 一方、1981年6月以降は「新耐震基準」が導入され、震度6強から7の地震でも倒壊しないことが求められるようになりました。 さらに、2000年には耐力壁の配置バランスや接合部の強化が義務化され、より耐震性が高まるよう制度が変わっています。 耐震、制震、免震の違いと選び方 地震に強い家づくりを考えるうえで、「耐震」「制震」「免震」の違いを理解することは非常に重要です。 どの構造にもメリットとデメリットがあり、立地や建物の用途に合わせた選択が求められます。 各構造の特徴は以下の通りです。 耐震構造 仕組み:建物の強度で揺れに耐える 初期コスト:比較的安価 メンテナンス:少ない 対応建物:戸建てからマンションなど幅広く対応 余震への強さ:◯(強度増加で余震にも強くなる) 制震構造 仕組み:制震装置で揺れを吸収、軽減 初期コスト:中程度 メンテナンス:装置の点検、交換が必要な場合あり 対応建物:主に中高層マンション、公共施設など 余震への強さ:◯(揺れを抑えてダメージを軽減) 免震構造 仕組み:建物を地面から絶縁し揺れを伝えにくくする 初期コスト:高額(免震装置や施工が高コスト) メンテナンス:装置の点検、維持が必要 対応建物:主に大型施設で採用される 余震への強さ:◎(揺れを伝えにくいため非常に強い) 建物の構造別耐震性能も把握しよう 建物の耐震性は、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」など採用されている構造形式によっても変わります。 日本で最も普及している木造住宅は、建物が軽量な分地震による建物にかかる力が小さく抑えられ、倒壊リスクを軽減しやすい点が特徴です。 一方、鉄骨造(S造)は鋼材による高い強度としなやかさを持ち、揺れを効果的に吸収、分散できます。 そして鉄筋コンクリート造(RC造)は、構造そのものの剛性が高く、地震時にも変形しにくい安定性が強みです。 ただし建物が重いため、基礎や地盤の対策も重要になります。 これら3つの構造には、それぞれ異なる特徴があるため、表のとおり目的や敷地条件に応じた選択が求められます。 木造住宅 耐震性:軽量で地震力が小さく、揺れに強い傾向 構造の特徴:柱や梁、壁で支える構造 耐久性:定期的なメンテナンスが必要 コスト:比較的安価 設計自由度:高い(リフォームしやすい) 主な用途:戸建て住宅、木造アパート 鉄骨造(S造) 耐震性:柔軟性があり揺れを吸収しやすい 構造の特徴:鋼材によるフレーム構造 耐久性:部材が錆びる可能性があり、塗装管理が必要 コスト:中程度(使用部材により幅がある) 設計自由度:中程度(柱や梁の制約がある) 主な用途:低~中高層の住宅やビル、倉庫など 鉄筋コンクリート造(RC造) 耐震性:高い剛性で揺れにくく、耐震性が非常に高い 構造の特徴:コンクリートと鉄筋の組み合わせによる構造 耐久性:長寿命で劣化しにくいが、初期施工品質が重要に コスト:高コスト(施工や材料費が高い) 設計自由度:低め(壁式構造は間取り変更が難しい) 主な用途:低~中高層の住宅やビル、倉庫など 耐震性を高める、家づくり5つの工夫を紹介 記事の終わりに、耐震性を高めるために設計段階で意識すべき5つの家づくりの工夫をご紹介します。 構造選びから地盤対策、間取り設計、建材の選定まで、地震に強い住まいを実現するためのポイントを確認しましょう。 壁全体で支える「壁式構造」を選ぶ 強固な地盤、および基礎を作る 実績のある会社への依頼も重要 正方形に近いバランスの良い間取りを選ぶ 高い耐力の建材を利用する 壁全体で支える「壁式構造」を選ぶ ▶耐震性の高い鉄筋コンクリート製の「壁式構造」 「壁式構造」とは、柱と梁で構成される構造とは異なり、壁そのもので建物を支える構造形式です。 地震の揺れを壁面全体で受け止めるため、力が分散されやすく変形や倒壊のリスクを抑えられます。 また、耐震性以外にも次のようなメリットがあります。 床壁の一体化で気密性、断熱性に優れる 遮音性が高く静かな住環境になる 施工期間が短く工期を短縮できる ▶関連コラム:壁式構造とは?ラーメン構造との違いや見分け方、メリットまで徹底解説 強固な地盤、および基礎を作る ▶住宅本体を支える幅広、ダブル鉄筋の基礎 どれだけ強い構造でも、地盤や基礎が弱ければ建物は地震に耐えられません。 地盤調査を行い、必要に応じて表層改良や柱状改良などの地盤補強を行いましょう。 さらに、建物の重さや地盤の性質に応じて「ベタ基礎」や「布基礎」など最適な基礎工法を選ぶことが重要です。 特に耐震性を高めたい場合は、基礎幅の拡張、二重鉄筋の配置といった対策も効果的です。 実績のある会社への依頼も重要 耐震性の高さを証明するうえで、設計上の数値や施工実績に加えて、実際に大きな地震を受けた際に「無傷」であったという明確な実績も重要です。 本当に強い構造かどうかは揺れを体験しなければ分かりません。 過去の地震で損傷ゼロだった住宅が多数存在する会社は、その構造と工法が現実の地震で効果を発揮した証拠です。 耐震構造の本質を見極めるには、机上の数値に加えて揺れを耐え抜いた「結果」で判断しましょう。 ▶過去の震災で無傷の実績を持つ百年住宅の家 正方形に近いバランスの良い間取りを選ぶ 建物の形状は耐震性に大きく影響します。 耐震性の面で理想的なのは、正方形に近いシンプルな形状です。 凹凸の多い間取りやL字・コの字型のプランは、地震時に揺れが集中しやすく、ねじれや変形のリスクが高くなります。 また、開口部(窓や玄関など)の配置バランスにも注意が必要です。 耐力壁が偏ると「偏心」と呼ばれる不安定な揺れ(ねじれ)が発生するため、上下階の壁や柱の位置も意識して設計することが大切です。 高い耐力の建材を利用する ▶建物を支える高い耐力の建材(PCパネル) 耐震性の高い家を建てるには、使用する建材そのものの強度も見逃せません。 たとえば、工場製作のPCパネルなど、「面」で地震力を受け止められる強度の高い建材を選ぶことで揺れに対する耐性が向上します。 ▶関連コラム:地震における『固有周期』とは?RC住宅が地震に強い理由を揺れの特徴から解説 ▶「共振現象」を防ぐ固有周期の短いWPC工法 工場生産の高強度なコンクリート壁を利用する手法として、「WPC工法」が挙げられます。 本工法は建物の固有周期を短く保ち、地震の揺れによる共振が発生する事態を防ぐ特性を持っています。 こうした工法を採用する住宅メーカーを選ぶことも、地震による被害を避ける対策です。 WPC工法については、以下の記事で詳しく解説していますので、耐震性の高い住まいをご検討中の方はぜひご覧ください。 ▶百年住宅が世界に誇る7つの性能 7つの日本一:耐震性能 まとめ│大地震でも無傷の住まいは「百年住宅」へ ▶大理石風外観とモミジを眺めるお気に入りLDK空間のある上質な和モダンの家【静岡市】 地震が多い日本では、建物の構造を正しく理解し、適切な対策を講じることが安心の第一歩です。 なお、家づくりを検討する際は、建物の構造や計算上の強度に加えて過去の地震でどれだけ被害が出なかったかという「実績」も重要な判断材料です。 百年住宅の家は、阪神・淡路大震災や熊本地震などにおいても「無傷」の結果を残しています。 こうした確かな実績を持つ住まいに興味のある方は、百年住宅までお気軽にご相談ください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現
「南海トラフ地震が発生したとき、どこに逃げるべきでしょうか?」 地震や津波の被害想定エリアに家を建てる場合、こうした疑問が生じることがあります。 命を守るためには、適切な避難先の選択や迅速な行動が欠かせません。 本記事では、高台や避難ビルなどの避難先の例に加え、家具や窓ガラスに対する地震対策、地震や津波に強い家づくりといった事前に検討したい対策についても解説します。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 南海トラフ地震とは?発生地域や確率、想定被害を確認 ▶引用:気象庁 南海トラフ地震について 南海トラフ地震とは、静岡県沖から宮崎県沖にかけて存在する「南海トラフ」と呼ばれる海底のプレート境界で発生が想定される巨大地震です。 過去にも繰り返し発生しており、次の発生も時間の問題とされています。 沿岸部では津波の被害も懸念されており、事前の備えが生死を分ける可能性があります。 南海トラフ地震が発生した場合、どういった被害が生じるのか公的機関のデータから確認しましょう。 発生地域:静岡県沖~宮崎県沖 発生確率:80%程度 想定規模:M9.0級 想定震度:震度6強~7 津波の高さ:最大10m以上 地震の揺れによる被害:約62.7万棟~134.6万棟が全壊、約3.8万人~5.9万人の死者 津波による被害:約13.2万棟~16.9万棟が全壊、約11.7万人~22.4万人の死者 ▶引用:内閣府 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ このように、南海トラフ地震は被災範囲や規模が甚大になる可能性がありますので、命や財産を守るために事前に取れる対策を検討する必要があります。 どこに逃げる?南海トラフ地震発生時の避難先 南海トラフ地震が発生した際、避難先の選択肢は生死を左右します。 地震後はすぐに津波が到達する可能性もありますので、居住地や状況に応じた適切な避難先をあらかじめ確認することが重要です。 たとえば、地震発生時の避難先の例として、以下の選択肢が挙げられます。 自宅近くの高台や避難ビル、避難タワー 自治体が指定する避難所(学校や公民館など) 自宅や近隣の高台など垂直避難できる場所 自宅近くの高台や避難ビル、避難タワー ▶引用:内閣府 津波避難ビル等に係る事例集 地震発生後に津波が想定される地域では、高台や避難ビル、避難タワーなどへの移動が最優先です。 特に海沿いや河口付近では数分以内に津波が到達する恐れがあるため、あらかじめ最寄りの高所や指定施設を確認しておくことが重要です。 自治体が指定する避難所(学校や公民館など) 自治体は、災害時に避難所として機能する場所を指定しています。 主に学校や公民館などが対象で、一定の耐震性や受け入れ体制が整えられています。 多くの避難所は災害の危険性が低い地域が指定されていますので、基本的には安全な場所です。 海岸沿いの住まいは即座に垂直避難 海岸沿いに住んでいる場合は、強い揺れを感じた時点で津波警報の有無に関係なく、すぐに高所へ避難しましょう。 高台や避難ビルなどが近くにない場合は、自宅の2階・3階など、できるだけ高くて丈夫な場所へ垂直避難する判断も必要です。 百年住宅の「津波シェルターペントハウス」のように、自宅にいながら津波を避けられる構造の住まいもありますので、周囲に避難先が見当たらない方は導入を検討してみましょう。 ▶屋上に設置する「津波シェルターペントハウス」で安心 津波の第一波が過ぎたあとは 津波は第一波で終わるとは限らず、数時間にわたって第二波、第三波が襲ってくることもあります。 安全が確認されるまでは高所にとどまることが基本です。 その後、避難指示に従って以下のような避難先を検討しましょう。 自治体指定の避難所:公共施設や福祉避難所など、ライフライン支援が見込める場所へ段階的に移動。 広域避難先:海岸部から離れた親戚宅やホテル、施設など、数日以上の避難に対応できる場所。 在宅避難:被害が少なく、安全が確保できる場合は自宅での生活継続も選択肢に。 最も心理的なストレスが少ない選択肢は、ライフスタイルを変えずに過ごせる「在宅避難」です。 一方で十分な強度のない住まいでは、地震時に倒壊、または大規模な損傷を受ける可能性がありますので、地震後の暮らしも含めて安心の暮らしを送りたい方は、大地震でも損傷を避けられる住まいがおすすめです。 ▶大地震でも安心「無傷の住まい」が分かるカタログ4点セットはコチラ 南海トラフ地震、津波への事前の対策 南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるためには、日頃の備えが欠かせません。 避難場所の確認、家庭内の安全対策、家族との連携や経済的な準備など、次のとおり多方面からの事前対策が命と暮らしを守る鍵となります。 家具や窓ガラスに対する地震対策 地震や津波に強い家づくり ハザードマップの確認 非常持ち出し袋や備蓄品の準備 地震保険など経済的な対策 家族間の連絡方法の取り決め 家具や窓ガラスに対する地震対策 ▶引用:東京消防庁 家具類の転倒・落下防止対策の例 地震による負傷の多くは、家具の転倒やガラスの飛散が原因です。 特に幼児、高齢者の方がいらっしゃるご家庭では、家具の配置と固定、窓ガラスの破損対策が命を守る行動になります。 普段から自宅内の危険箇所をチェックし、次のような安全対策を講じておきましょう。 タンスや冷蔵庫、本棚はL字金具やベルトで壁に固定 キャスター付き家具にはストッパーやストッパーマットを使用 食器棚には飛び出し防止のロックを取り付ける 窓ガラスや姿見には飛散防止フィルムを貼る 寝室や子ども部屋には大きな家具を置かない 地震や津波に強い家づくり 地震や津波などの災害に強い住まいを建てることは、最も長期的かつ確実な備えです。 特に新築を検討している場合は、各種災害に強い家を意識して選択するとともに、自分たちの住む地域のリスクに応じた選択が求められます。 以下のような要素を取り入れることで、地震や津波への備えを強化できます。 耐震等級3に適合する仕様を選択 地盤調査を行い、必要に応じて地盤改良を実施 接合部や基礎を強化した工法(例:ダブル配筋基礎)を採用 津波リスクがある地域では流出に強いRC造を選択 過去に発生した地震で損傷を受けていない会社を選択 「建ててから備える」のではなく、「建てる段階から備える」ことで、自宅の損傷を抑えられ、人命や資産を守ることにつながります。 ▶大地震でも無傷の実績「百年住宅」 ハザードマップの確認 南海トラフ地震では広範囲に揺れや津波のリスクが及びます。 自治体が提供するハザードマップを活用し、自宅周辺の危険区域や避難場所を確認しておきましょう。 ▶引用:静岡市 津波ハザードマップ 自宅や学校、職場ごとに浸水予想や避難ルートを事前に把握しておくことで、発災時に慌てず行動できます。 非常持ち出し袋や備蓄品の準備 地震や津波でライフラインが止まると、食料品や日用品が手元に届かなくなる可能性があることから、非常用持ち出し袋や備蓄品の準備も効果的です。 非常用持ち出し袋には水や保存食、懐中電灯、常備薬、衛生用品など最低限の生活用品を入れ、すぐに持ち出せる場所に保管しましょう。 また、自宅には数日分の備蓄品を確保しておくことも重要です。 地震保険など経済的な対策 建物や家財が損壊したとき、生活再建にかかる費用を軽減するためには地震保険などの経済的な備えも重要です。 地震保険は火災保険とセットで加入することとなり、また補償内容が契約ごとに異なりますので事前に確認しましょう。 検討するべきポイントは以下の通りです。 補償の対象範囲を確認する(建物、家財など) 保険金の支払条件(全損・半損など)を確認する 保険金と再建費用の差額を確認し、貯蓄や特約で不足分を補う 補助金や再建支援制度、被災者生活再建支援法なども理解しておく なお、そもそも南海トラフ地震の発生時に損傷を受けない建物、被害が軽微な建物であれば、経済的な心配をする必要もなくなります。 このため、過去の地震で損傷を受けていない、「無傷」の実績がある会社に依頼することがおすすめです。 ▶大地震でも無傷の実績「百年住宅」 家族間の連絡方法の取り決め 災害時は電話やインターネットがつながりにくくなるため、家族が離れているときの連絡の取り合い方を事前に話し合うことも重要です。 避難場所や集合場所をあらかじめ決めておくほか、災害用伝言ダイヤルやSNSの利用など、複数の手段を用意しておくと安心です。 また、子どもや高齢者も含めて家族全員が分かりやすい形で伝えることが大切です。 まとめ│南海トラフ地震への対策は「百年住宅」まで ▶施工事例:『海を眺めながら暮らしたい。』を叶える、屋上に津波シェルターの付いた“津波に強い家”【静岡市】 南海トラフ地震は発生タイミングが分からず、また発生時の被災範囲が大きくなる可能性もある地震です。 どこに逃げるか、どう行動するかを想定することで命や財産を守れる可能性が高まりますので、事前の対策が重要となります。 また、「在宅避難ができる家」を建てるという選択肢もあります。 被災時に自宅で避難できれば、避難所で起きがちなプライバシーや衛生面の問題を避けることも可能です。 百年住宅は、過去の巨大地震でも窓ガラス1つ割れない「無傷」の実績があります。 地震にも津波にも耐えられる構造で、家そのものが避難所になる安心を手に入れましょう。 家づくりに防災の視点を導入するなら、ぜひ一度、百年住宅にご相談ください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現
「壁式構造」とは、柱や梁を使わず、壁そのもので建物を支える構造です。 すっきりとした室内空間や高い耐震性が特徴ですが、壁の位置を変えるリフォームなどに制限があるといった制約もあります。 本記事では、壁式構造のメリットやデメリット、ラーメン構造との違い、見分け方までわかりやすく解説します。 新築一戸建てに耐震性を求める方は、ぜひご覧頂き参考にしてください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 壁式構造とは? 住宅の構造にはいくつか種類がありますが、その中でも壁で建物を支える構造が「壁式構造」です。 一戸建てのほか、低層のアパートやマンションでも見られ、すっきりした見た目の内観や耐震性の高さが注目されています。 しかし、間取りの自由度や将来的なリフォームに制約がかかるケースもありますので、事前に特徴を把握することが重要です。 壁式構造の特徴を紹介 壁式構造は、柱や梁を使わずに耐力壁(構造壁)で建物を支える構造です。 現場でコンクリートを打設する方法のほか、工場で製作したコンクリート製のパネルを現場で組み立てる方法も該当します。 こうした壁式構造の主な特徴は以下の通りです。 室内に柱や梁の出っ張りがなく、空間がすっきりする 耐震性が高く、構造体が損傷を受けづらい 遮音性や断熱性に優れ、快適な室内環境を実現しやすい 間取りの変更や開口部の増設が制限を受けることがある WRC造(壁式鉄筋コンクリート構造)との関係とは? 壁式構造について調べると「WRC造」と呼ばれる構造を目にすることがあります。 WRC造とは「Wall Reinforced Concrete(壁式鉄筋コンクリート構造)」の略で、これは壁式構造の形式のひとつです。 壁式構造は木材で作られることもありますが、WRC造は建材がコンクリートに限られます。 ラーメン構造とは? 壁式構造とラーメン構造は支え方も空間の特徴も異なりますので、用途や将来の使い方を考えるうえで理解しておきたいポイントです。 壁式構造は、壁そのものが建物の荷重や地震の力を支える方式ですが、ラーメン構造は柱と梁のフレームで建物を支える構造で、両者を比較すると以下のような違いがあります。 壁式構造 支える部材:壁が耐力要素 室内の構造:壁が多く、抜けない部分が多い 使用例:低中層マンション、小規模施設 ラーメン構造 支える部材:柱と梁で構成されるフレーム 室内の構造:間仕切りは自由、開口部を広く取れる 使用例:高層ビル、オフィス、商業施設など このように、同じ鉄筋コンクリート造の建物であっても異なる特徴を持ちますので、家を建てる際には木造、鉄骨などの建材に加えて、構造の形式についても把握することがおすすめです。 壁式構造の一種である百年住宅のWPC工法の住まいは阪神・淡路大震災やその他の巨大地震でも、窓ガラス1枚の破損もなく無傷です。 耐震性の高い住まいをご検討中の方は、「無傷」が証明する高い耐震性の家を建てる百年住宅にご相談ください。 ▶巨大地震でも「無傷」が証明する、耐震性の高い家は百年住宅まで 壁式構造とラーメン構造の見分け方 建売住宅やモデルハウスなどを見学する際、RC造に興味をお持ちの方は「この建物は壁式構造?ラーメン構造?」このように疑問を感じる場合もあります。 構造形式は間取りの自由度や建物の耐震性、将来の資産価値に直結しますので適切に見分ける必要があります。 壁式構造とラーメン構造を見分ける主な方法は次の2つです。 内観から構造を見分ける 登記簿や図面から確認する 内観から構造を見分ける方法 実際に物件を内見する際、以下のように室内の特徴からある程度は構造を見分けることができます。 室内に太い柱や梁が見える:ラーメン構造の可能性が高い 天井や壁がフラットで柱や梁の出っ張りがない:壁式構造の可能性が高い ただし、内装リフォームで柱や梁が見えにくくなっているケースもありますので、気になる物件があった場合は、次の方法で正確に確認しましょう。 登記簿や図面からの確認方法 建物の構造形式は、法務局の登記簿謄本や建築確認申請書、設計図面などで確認できます。 登記簿の「構造」欄に「壁式RC造」「鉄筋コンクリート造(壁式)」などの記載がある 設計図に「ラーメン構造」「柱・梁フレーム構成」の記載がある場合はラーメン構造 見た目だけでは判断しづらいケースもありますので、気になる物件があった場合は資料で確認する、またはスタッフに確認することが大切です。 壁式構造とラーメン構造はどちらを選ぶべき? 建物の構造形式は見た目や価格だけでなく、暮らし方や将来設計、資産価値にまで影響します。 壁式構造とラーメン構造、それぞれに優れた点がありますので、「どちらが正解」というよりは、どのような暮らしを望むかによって選び方が変わります。 家族構成や将来設計からの選び方 1つ目の選び方は、家族構成や将来設計など、個人のライフスタイルによる選び方です。 子育て世帯で長期間にわたって間取り変更の予定がない:壁式構造(耐震性が高くその他の性能も高いため、快適な暮らしになる) バリアフリー設計への改修や二世帯化を検討している:ラーメン構造(間取りの可変性が高くライフスタイルの変化に追従しやすい) 家の基本性能を重視した選び方 2つ目の視点は、家の基本性能そのものに注目する選び方です。 快適性や安全性、省エネ性といった「暮らしの質」を重視する方には、壁式構造が最適です。 壁式構造は、壁全体で荷重や揺れを受け止める構造で、地震に強く、揺れを受けても室内の変形やズレが起きにくい特徴を有しています。 また、室内に柱や梁の出っ張りがないことから空間がすっきりと仕上がりますし、構造体が「面」で構成されることから気密性が高く、冷暖房の効率を高められ快適な温熱環境の暮らしを実現できます。 さらに、構造体の劣化が少なく、建物の性能を長期間にわたって維持しやすい点も壁式構造の特長です。長期的に「各種災害でも壊れにくく、修繕費も抑えられる住宅になる」ことから、安全性と経済性どちらの面からも安心できる選択肢となります。 ▶百年住宅の住まいは初期35年、最長100年保証 壁式構造のメリット 記事の終わりに、壁式構造を選ぶことでどういった特徴の住まいが完成するのか確認します。 まずは壁式構造特有のメリットをお伝えします。 壁式構造は構造体そのものが壁で構成されているため、住まいの安全性や快適性、省エネ性能に優れた特徴を持ちます。 こうした特徴も含めて、壁式構造には以下のようなメリットがあります。 耐震性が高く、地震に強い構造になる 地震の揺れを受けても変形、損傷を受けづらい 気密性が高く、省エネ性能に優れる 遮音性が高く、騒音被害を受けづらい 施工精度を高めやすい 工期が短くなる(特に工場生産の場合) 壁式構造の最大の魅力は、建物全体が箱のように一体化して揺れに強くなる点です。 地震による揺れを受けた際も、倒れないことは当然のこととして、壁全体で建物を支えることから損傷を受けづらく、被災後の生活再建が容易になる点は安心感につながります。 ▶地震・津波・台風・竜巻といった各種災害から家族を守る、百年住宅の家 壁式構造のデメリット 優れた耐震性や遮音性を持つ壁式構造ですが、一方で設計や住まい方に制約が出るケースもありますので、把握しておくことをおすすめします。 壁の位置を変更するリフォームが難しい場合がある 設備の配管ルートを十分に検討する必要がある 壁そのものが構造体となる壁式構造は、耐力壁の移動や撤去が難しいケースがあります。 このため将来的な間取りの変更やリノベーションの自由度が低いケースがあり、「ライフスタイルの変化に対応しにくい構造」と指摘されることもあります。 壁式構造を選ぶ場合は、長期的なライフプランを考慮したうえで設計することが重要といえます。 まとめ|壁式構造の特徴を理解して満足できる選択を ▶施工事例:30畳の大空間LDKと富士山が見える屋上ジャグジーのある家【沼津市】 壁式構造は、高い耐震性や遮音性、省エネ性能を兼ね備えた、安心で快適な住まいを実現できる構造です。 ただし、間取り変更の自由度や将来のリノベーションには一定の制限もあるため、ご自身のライフプランに合った選択が求められます。 「頑丈な住まいを長く安心して使いたい」とお考えなら、壁式構造(WPC工法)を採用し、実大実験や実際の大地震でも強度が実証されている「百年住宅」の住まいをご検討ください。 災害に強く長寿命な構造を追求した住まいで、ご家族の将来をしっかりと支えます。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現
「南海トラフ地震の揺れが来ない県で、安全な場所に家を建てたい」このようにお考えではありませんか。 津波の被害を直接受けにくい内陸県や、震源から距離がある北日本の一部では、比較的リスクが低いとされています。 しかし、日本に地震のリスクがゼロの地域はありません。 本記事では、南海トラフ地震の被害が比較的少ないと想定される県の特徴から、耐震化や防災対策まで詳しく解説します。 ご家族の安全を第一に考えた住まいをお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現 南海トラフ地震とは 南海トラフ地震は、日本の広範囲に深刻な被害をもたらすと予想される巨大地震です。 まず、地震のメカニズムや発生予測について理解を深めましょう。 南海トラフの概要と地震発生の仕組み 南海トラフは、静岡県の駿河湾〜宮崎県の日向灘にかけて続く、海底の深い谷です。 この地域では、太平洋の海底にある海洋プレートが、日本列島がある大陸プレートの下に潜り込んでいます。 潜り込みが続くと、大陸プレートが下に引っ張られ、大きなひずみエネルギーが溜まります。 蓄積されたエネルギーが岩盤の強度を超えると、プレートが勢いよく元の位置に戻ろうとして、巨大地震が発生する仕組みです。 震源となる海底の範囲が広いため、地震が起きると、関東地方〜九州地方にかけての太平洋側で激しい揺れが生じ、同時に大きな津波も発生します。 南海トラフ地震の発生予測と周期 気象庁の発表によると、南海トラフでM8〜9の大地震が30年以内に起こる確率は約80%に達しています。 ▶参考:南海トラフ地震に関連する情報|気象庁 過去の記録を見ると、南海トラフでは1400年間で12回の大地震が確認されており、約100年〜200年の間隔で大地震が繰り返し発生しています。 南海トラフ地震が「なかなか起きない」と言われる理由の一つは、地震の発生間隔にばらつきがあることです。 しかし、発生確率の高さを考慮すると、決して油断できない状況が続いています。 南海トラフ地震の予測は難しい 南海トラフ地震の前兆を察知し、発生を正確に予測することは、現在の科学技術では難しいとされています。 南海トラフ地震臨時情報などの発表に頼るのではなく、建物の耐震化・家具の固定・非常食の備蓄・避難場所や経路の確認など、日頃の備えが大切です。 お住まいの地域のハザードマップを確認し、備えておきましょう。 ▶参考:南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性について|内閣府 南海トラフ地震で揺れが来ない県・被害が少ない県 南海トラフ地震の被害想定を踏まえ、被害が比較的少ないと考えられる県を見ていきましょう。 南海トラフ地震の揺れが来ない県はあるのか 南海トラフ地震にかぎらず、2024年に観測された地震回数を見ると、日本国内で地震の揺れがまったく来ないエリアはありません。 気象庁の統計によると、2024年の都道府県別震度観測回数では、全ての都道府県でなんらかの揺れが観測されています。 地震の頻度に差はあるものの、日本列島全体が地震活動の影響を受けています。 ▶参考:令和6年(2024 年)の都道府県別の震度観測回数表 27ページ|気象庁 被害が少ない・大丈夫と想定される県 南海トラフ地震では、震源に近い太平洋沿岸部で大きな被害が予想される一方、被害の種類や程度によって、比較的リスクが低いと考えられる県はあります。 ただし、日本全体が地震活動のリスクにさらされているため、南海トラフ地震以外のリスクも含めて、さまざまな視点での検討が必要です。 津波の被害を受けにくい県 津波による直接的な被害は主に沿岸部で発生するため、内陸県は津波のリスクが低いと言えます。 長野県 ・岐阜県 ・群馬県 ・栃木県 ・山梨県 ・滋賀県 これらの県は海に面していないため、津波による直接的な被害を受ける可能性は低いです。 ただし、内陸部でも地震による揺れの被害は想定されるため、完全に安全とはいえません。 地震の揺れが比較的少ない県 震源から距離がある北日本の一部では、南海トラフ地震による揺れが比較的小さいと予想されています。 北海道 ・青森県 ・秋田県 ・山形県 ・岩手県 など しかし、これらの地域でも過去に地震が発生した記録があり、南海トラフ地震以外の災害リスクがあることを忘れてはいけません。 南海トラフ地震への備えと対策 南海トラフ地震に備えるには、事前の準備と日頃の対策が欠かせません。 今日からできる対策を紹介します。 自宅でできること|耐震化から備蓄まで 家具や家電の固定・自宅の耐震化 食器棚やテレビ・本棚などを壁に固定して、転倒による怪我を防止し、避難経路を確保しましょう。 寝室では、就寝中に家具の下敷きにならないために、ベッド周辺には背の高いタンスや本棚を配置しないよう、家具の配置を工夫することが大切です。 また、建物の耐震性を高めることは、地震被害を軽減するだけでなく、避難所生活による健康リスクを回避するのに効果的な対策です。 ご自宅が安全であれば、エコノミークラス症候群や感染症のリスク、精神的ストレスといった避難所生活でのさまざまな問題を避けられます。 百年住宅では、高い耐震性能により、地震の被害を最小限に抑える住宅を実現します。 百年住宅の耐震へのこだわりをこちらでご覧ください。 ▶耐震性能 食料・飲料水・日用品の備蓄 最低3日分、できれば1週間分の食料と飲料水を備蓄しましょう。 飲料水:1人1日3リットルを目安に準備 食料:缶詰、レトルト食品、乾パンなど、長期保存できるもの 日用品:トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウェットティッシュなど その他:必要に応じて、生理用品や紙おむつなど 定期的に賞味期限などを確認し、古いものから使う「ローリングストック法」がおすすめです。 防災グッズ・非常用持ち出しバッグの準備 必要なものを非常用持ち出しバッグにまとめ、すぐに持ち出せる場所に保管しましょう。 懐中電灯 ラジオ 救急用品 現金、身分証明書のコピー マスク、消毒用アルコール 常備薬 ポータブル電源 ポータブル電源やモバイルバッテリーがあると、停電時にも情報収集やご家族の安否確認ができて安心です。 家族同士の安否確認方法の確認 災害発生時にご家族がバラバラの場所にいる場合を想定し、安否確認の方法を事前に決めておきます。 災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板の使い方を、ご家族全員で確認しておくことが大切です。 ▶参考:災害が起きる前にできること|首相官邸 避難に関する準備 ▶引用:津波ハザードマップ|静岡市 ハザードマップの確認 お住まいの地域の津波・浸水・土砂災害のリスクを確認しましょう。 各自治体が公表しているハザードマップを活用して、ご自宅周辺の危険箇所を把握することが防災の第一歩です。 百年住宅では、ご自宅周辺のハザードマップに加えて、地盤強度診断・土砂災害リスク・液状化リスクなどのレポートを無料でお送りいたします。 こちらからお気軽にお問い合わせください。 ▶家づくりの前に建築予定地の「地震の危険度」を調べませんか? 避難場所・避難ルートの確認 最寄りの避難所までの経路をご家族全員で実際に歩いて確認し、ルートを把握しておきます。 一つのルートが使えない場合に備えて、代替ルートも確認しておくことが安全な避難につながります。 家族との安否確認方法・連絡手段の取り決めと防災訓練の実施 ご家族それぞれの勤務先や学校から避難所までのルート、連絡が取れない場合の集合場所なども決めておきます。 年に一度は、ご家族で実際の動きを確認することも大切です。 南海トラフ地震発生時・発生後に取るべき行動 被害を少しでも減らすために、地震が発生した際にとるべき行動を紹介します。 地震発生時の行動 頑丈なものの下へ隠れる・頭を守る 地震の揺れを感じたら、まず身の安全を確保します。 机やテーブルの下に潜り、頭を保護することが最優先です。 近くに隠れる場所がない場合は、クッションなどで頭を守りましょう。 火の元の確認・初期消火 揺れが収まったら、火の始末です。 ガスコンロやストーブなどの火を止め、ガスの元栓を閉めます。 火災が発生している場合は無理をせず避難を優先しましょう。 避難経路の確保 ドアや窓を開けて避難経路を確保します。 建物の歪みによってドアが開かなくなることがあるため、早めに出口を確保することが大切です。 地震発生後の行動 情報収集 ラジオやテレビ、スマートフォンなどを使って情報を集めます。 津波警報や避難指示の発表、交通機関の運行状況などを確認しましょう。 家族や周囲の人の安否確認 ご家族の安否や、近所の人で怪我をしている人がいないかチェックします。 避難の判断 以下の場合は速やかに避難しましょう。 津波警報や注意報が発表された場合 建物が倒壊する危険がある場合 火災が発生している場合 津波の危険がある場合は海岸や河川から離れて高台へ、建物の倒壊や火災の危険がある場合は指定避難所へ速やかに避難してください。 まとめ|南海トラフ地震への正しい理解と備えで家族を守る ▶施工事例:シンプルだけど木の温もりを感じる【白と木の家】 効果的な木目の使い方に注目!【静岡市】 内陸県では南海トラフ地震による津波の直接的な被害を受けにくく、震源から距離がある北日本では揺れが比較的小さいとされていますが、それでも地震への備えは欠かせません。 家具の固定、備蓄の準備、避難場所の確認だけでなく、地震に強い構造や高い耐久性を備えた住宅は、南海トラフ地震の被害を軽減します。 南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくない状況です。 「まだ大丈夫」と考えるのではなく、「今日から備える」という気持ちで防災対策に取り組むことが、安全で安心な暮らしにつながります。 地震や津波などの災害に対して、高い安全性能のある住宅をお考えの方は、ぜひ百年住宅までお気軽にご相談ください。 ▶大地震でも無傷の家を「百年住宅」で実現