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レポート&スタッフブログ
8月8日(金)

近年、台風や豪雨による水害が全国各地で増え、浸水地域での家づくりに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
また、地震で発生する津波による浸水が気になる方も多いものです。
そこで本記事では「浸水地域に家を建てても大丈夫なのか?」という疑問にお答えします。
浸水地域で家を建てることのメリット・デメリットといった特徴に加え、建築時に押さえておきたい注意点や、被害を最小限に抑えるための具体的な対策まで解説します。
浸水地域での家づくりについて確認する前に、そもそも浸水地域とは、どういった地域を指すのか確認しましょう。
浸水地域とは、市町村や国が作成する、「津波浸水想定区域図」や「洪水浸水想定区域図」、「高潮浸水想定区域図」といった地図で指定されるエリアを指します。
想定される浸水深や範囲は、過去の被害履歴や地形、降雨量などを基に算定されます。
指定区域に含まれる場合、防災計画や建築条件にも影響しますので、家づくりや土地選びの段階で浸水予想範囲を確認しましょう。
津波や洪水、高潮の被害は、被災した場合の浸水する深さによって程度が変わります。
どの程度の深さが建物の1階、2階などの高さになるのか確認しましょう。

国土交通省が公表している「水害ハザードマップ作成の手引」によると、浸水深0.5mで建物1階が床上浸水を始める可能性があり、大人でも歩行や避難が困難になります。
3.0mでは建物2階床面まで浸水し生活機能がほぼ停止、長期避難や大規模修繕が必要になります。
5.0mになると2階が完全に水没、3階床面まで達する恐れがあり、建物全体が甚大な損害を受けます。
こうした浸水深の違いは、避難計画や建築方法、土地選びの判断に直結するため、事前に必ず確認しておくことが重要です。
浸水地域で家を建てる場合に注意したいポイントは、津波と洪水、高潮といった水害には、発生要因や被害の広がり方に違いがある点です。
以下のような特徴を確認して、建物の設計や土地選びに活かしましょう。
▶関連コラム:南海トラフ地震が起こるとどこが危ないのか|県やエリア・対策も解説

津波や洪水、高潮などの不安がある浸水地域ですが、家を建てる場合は次のようなメリットも存在します。
特に土地価格の安さは大きな魅力で、同じ予算でも広い敷地や好立地を確保できる可能性があります。
また、海辺や河川沿いは眺望や開放感があり、暮らしに潤いを与えてくれます。
さらに近年は、堤防強化や排水ポンプ場の整備など、防災インフラが向上している地域も多く、安全性が過去より改善されているケースも見られます。
一方で、浸水地域での家づくりには次のようなデメリットもあります。
最大のリスクは、水害による直接的な被害です。
浸水で構造体や設備が損傷すれば修繕費用が必要になり、また長期の避難を強いられる可能性があります。
また、水災補償を付けると保険料が高くなり、住宅ローン審査でも担保評価が下がる可能性があります。
売却時には買い手が限られ、価格交渉で不利になるケースも少なくありません。

こうした特徴を持つ浸水地域では、家を建てる前に次の点を確認しましょう。
まず災害の種類を把握し、その地域が津波や洪水、高潮のいずれに脆弱なのかを確認します。
加えて地形条件や標高差を調べ、低地や埋立地といった浸水リスクの高い土地を避けることが重要です。
新築を建てるにあたっては、地盤調査で強度や液状化リスクを確認することもおすすめです。
将来の資産価値は、水害リスクが高いほど下がりやすく、売却時に価格交渉で不利になる可能性があります。
また、浸水被害時には停電や断水、通信障害などライフラインが長期間停止する場合もあります。
こうした経済性や生活面での影響を踏まえて計画を立てることが大切です。
浸水地域での家づくりでは、被害を最小限に抑えるための計画と備えが不可欠です。土地選びから構造、設備、資金対策まで総合的に検討しましょう。

家を建てる前には、国や自治体が公表するハザードマップで浸水の想定範囲や深さを確認しましょう。
津波や洪水、高潮、内水氾濫など災害の種類ごとのリスクを把握することで、立地や構造を判断する材料になります。
現地での確認や地元役場での情報収集を行い、過去の浸水履歴もあわせてチェックすると安心につながります。
同じ地域でも標高差や地形条件により、浸水リスクは異なります。
できる限り周辺より高い土地を選べば、被害を軽減できる可能性が高まります。
地形図や測量データを参照しつつ、津波の到達範囲や雨水の流れ方、排水設備の状況も確認しましょう。
大雨の際に適切に排水を処理できていれば、建物の浸水を心配する必要はありません。

浸水が想定される場合は、盛土による敷地のかさ上げや高基礎構造の採用で床面を高くし、浸水到達前に生活空間を守る工夫が必要です。
土木工事や擁壁工事は高額になる恐れがありますので、施工費用や工期は事前に見積もりを取り、予算計画に組み込みましょう。
完成後は排水計画との整合性を確認し、万が一の際にも水はけが悪化しないよう配慮が必要です。
浸水リスクに備えるなら、リビングやキッチンなど生活の中心となる空間を2階以上に配置する間取りがおすすめです。
被災時も居住性を確保でき、避難所に移らず一定期間生活できます。
階段や動線計画とあわせて快適性を保ち、バルコニーや避難経路も高所に確保しておくと安心です。

▶重厚感のあるコンクリートが際立つモダンな外観。そして、大人のプレミアム空間がある、高台に悠然と佇む家。【静岡市 新築注文住宅】
水害に強い家づくりには、浸水でも構造体が損傷しにくい鉄筋コンクリート(RC)造などの堅牢な構造が有効です。
高い強度により修繕負担や資産価値の低下を抑えられます。
また、耐水性の高い仕上げ材を併用し、施工実績の豊富な業者に依頼することで、より安全性の高い住まいを実現できます。
▶関連コラム:【鉄筋コンクリートの家】8つのメリット、5つのデメリット│後悔する瞬間と対策も解説

最近では、津波や洪水に対応した屋内シェルターの導入事例も増えています。
屋上や高所に避難できるスペースを確保すれば、避難所までの移動が困難な場合でも安全を保てます。
家族の人数や滞在日数に合わせた容量や設備を選び、食料や日用品、通信手段も備えておくと実用性が高まります。
分電盤や給湯器、空調機器などの主要設備は、浸水想定よりも高い位置にまとめて配置します。
これにより水害時の損壊を防ぎ、復旧までの時間や費用を削減できます。
屋外設備は防水仕様を採用し、配線や配管もできる限り高所に集約しておくと安心です。

浸水地域では地盤が軟弱なケースが多く、液状化のリスクも無視できません。
建築前に地盤調査で性質を確認し、必要に応じて改良を施すことで、沈下や傾きによる被害を防げます。
地盤保証制度の活用や、改良工法のメリット・デメリットを比較検討して最適な方法を選ぶことが大切です。
万一に備え、火災保険に水災補償、地震保険を追加し、住宅ローンにも自然災害時の返済免除や猶予の特約を付帯することも手段のひとつです。
こうした対策で被害後の経済的負担を大きく軽減できます。
契約前には補償範囲や条件、免責額を必ず確認し、複数社のプランを比較して最適な内容を選ぶことが重要です。

▶『海を眺めながら暮らしたい。』を叶える、屋上に津波シェルターの付いた“津波に強い家”【静岡市】
浸水地域での家づくりは、立地や地形、地盤、浸水深などのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。
盛土や高基礎、間取りの工夫に加え、RC造など水害に強い構造を選べば被害を最小限に抑えられます。
さらに、設備の高所配置や保険加入など金銭的備えを整えることで万一の際も安心です。
強固な構造と入念な計画で、安全で快適な住まいを実現しましょう。
百年住宅は、耐震性・耐久性・耐水性に優れた鉄筋コンクリート住宅を提供し、浸水地域でも長く安心して暮らせる住まいづくりをサポートしています。
豊富な施工実績と専門知識をもとに、お客様一人ひとりの条件に合わせた最適な提案が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。