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レポート&スタッフブログ
7月30日(水)

「愛知県は地震が少ない」と言われることがありますが、本当でしょうか?
愛知県は、全国的に見ても地震の発生頻度が少ないとされる地域の一つです。
本記事では、愛知県は地震が少ないと言われる理由を「過去の地震の少なさ・活断層の分布の仕方」といった観点から解説します。
ただし、「地震が少ない=安全」とは限りません。南海トラフ地震のリスクや津波への備えも必要となります。
後半では、愛知県で安心して暮らすための防災対策や、地震に強い家づくりの方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
愛知県は、過去の統計データから見ても、全国の中では地震の発生頻度が比較的少ない地域とされています。
たとえば、愛知県および近隣の地域での地震の発生回数を確認すると、三重県や滋賀県とともに、静岡県や岐阜県と比べると地震の発生回数が少ないことが分かります。
過去10年、震度1以上を観測した回数
ただし、完全に安全というわけではなく、過去には濃尾地震(1891年)など被害の大きい地震も発生しています。
地震のリスクを正しく理解するためには、実際に観測された回数や被害の記録を知ることが重要です。
「愛知県は地震が少ない」と言われる背景には、実際の観測データや地形的な特性があります。
具体的な根拠について「発生頻度・活断層の分布」の2つの視点から紹介します。
愛知県は、地震の観測回数が全国の中でも比較的少ない県のひとつです。
物が倒れるなど、一定の被害を引き起こす震度4以上の地震の回数を確認すると、過去10年間で全国で754回の地震が発生している一方で、愛知県では5回しか発生していません。
また、明治以降の大規模地震でも震源が県内であった例は少なく、都市直下型のような直接的な被害を受けたケースも限定的です。
こうした過去の記録から、「愛知県は地震が少ない」と言われることが多くなっています。

愛知県には活断層が点在しているものの、都市部など確認されている活断層の密度が低い地域もあります。
特に名古屋市西部の平野部では大きな活断層が確認されている例が少なく、地震リスクが相対的に低いと評価されることがあります。
もちろん、知多半島から三河山地などにかけては活断層も確認されていますが、全国的に見ると「確認された活断層が密集していない」エリアが多いことが、「揺れにくい」「地震が少ない」と評価される理由のひとつです。
「地震が少ない」とされる愛知県ですが、本当に安心してもよいのでしょうか。
南海トラフ地震のような大規模災害が想定される中、過去に被害が少なかった地域でも、今後も同様に地震による被害を受けないとは限りません。
地震発生の頻度だけで、安全性を判断してもよいのか、改めて考えてみましょう。

注意する必要があることは、将来発生が予測されている南海トラフ地震の存在です。
南海トラフ地震は100〜150年周期で繰り返される巨大地震で、愛知県も想定震源域に含まれています。
過去の発生時には、紀伊半島や四国南部だけでなく、愛知県沿岸部でも津波や地震の影響による被害が記録されています。
地震の発生頻度が低くても、ひとたび巨大地震が起これば甚大な被害が発生する可能性があり、決して油断はできません。
▶関連コラム:南海トラフ地震が起こるとどこが危ないのか|県やエリア・対策も解説
愛知県は比較的地震が少ない地域とされていますが、以下のとおり過去には大きな地震被害を受けた例もあります。
たとえば、1891年の濃尾地震(マグニチュード8.0)は、震源は岐阜県内ですが、愛知県西部でも家屋倒壊や死者が出るなど甚大な被害を受けました。
また、1944年の東南海地震では、名古屋市や知多半島で建物被害、津波被害が記録されています。
このように、地震の発生源が県外でも広範囲に被害が及ぶことがありますので、ここ数十年大きな地震に遭遇していなくても油断は禁物です。
「これまで被害が少なかったから、これからも安心」という考えは危険です。
地震の被害は地盤や建物の状況、震源との位置関係などにより変化します。
たとえ前回の地震で被害が小さかった地域でも、次の地震では大きな揺れに見舞われる可能性があります。
また、現時点で活断層が確認されていない地域でも、未発見の“隠れた活断層”が存在する可能性もあり、過去の被害実績だけを根拠に安心するのは危険です。
地震の発生頻度が少ないとされる愛知県ですが、南海トラフ地震や津波などへの備えは不可欠です。
地震リスクを踏まえた安心できる暮らし方や具体的な備えについて紹介します。
愛知県は、南海トラフ地震では震度6弱〜7の揺れが予測される地域もあることから安心はできません。

特に沿岸部では最大20メートル前後の津波浸水も想定され、また液状化の発生リスクも指摘されています。
居住地のハザードマップや地盤情報を確認し、地域ごとのリスクに応じた備えを行いましょう。
津波の想定被災範囲に居住する場合でも、基礎と建物本体が一体化し津波や洪水に耐える鉄筋コンクリート住宅や、屋上部分がシェルターになった住まいも対策として考えられます。
▶関連コラム:個人でできる南海トラフ巨大地震対策7選│地震の概要や家の安全性を高める方法もご紹介
地震から命と財産を守るには、地震に強い(損傷しない)家づくりが不可欠です。
耐震等級3を満たす構造、正方形などシンプルな形状、鉄筋コンクリート造による強固な構造体など、地震によって倒壊しないことは当然のこととして、揺れによる損傷を受けない住まいづくりがおすすめです。
建物に生じる損傷は余震など、複数回発生する揺れによって蓄積し強度低下を招く可能性があるからです。
また、過去の大地震でも倒壊や損傷が発生していない「実績のある住宅会社」へ依頼することも、安心の家づくりに欠かせないポイントです。
▶関連コラム:【地震に強い家】15の特徴・構造を解説│地盤、建物から被災後の対策までご紹介
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加えて、地域の地盤特性やハザードマップに基づいた設計も重要です。
液状化のリスクが高いエリアでは基礎構造を工夫したり、避難経路を考慮した間取りを取り入れるなど、立地に応じた設計が求められます。
建物単体の性能だけでなく、地盤や将来の災害リスクを見据えたプランニングが、安全な暮らしの土台となります。
万が一の地震に備え、避難ルートや家族との連絡手段、非常用持ち出し袋の準備を日常的に確認、シミュレーションしておくことも重要です。
特に南海トラフ地震では数分で津波が到達する可能性もあり、迅速な初動が重要です。
また、ハザードマップで避難所や浸水区域を確認し、家庭ごとの行動計画を立てておくことが安心につながります。
そのほかにも、次のような備えを家族で共有、実践しておきましょう。
こうした日常の備えが、いざというときの冷静な行動につながります。
地震によって住宅が損壊、浸水するなどの被害を受けた場合、経済的な負担が発生します。
このため、地震保険への加入、被災後の生活再建に備えた貯蓄やローンの見直しといった経済的な負担を軽減する対策も重要です。
公的支援制度(被災者生活再建支援金など)や自治体の独自支援策を事前に確認し、いざというときに慌てず対応できるよう備えておきましょう。
加えて、そもそも地震や津波によって自宅が被害を受けないようにすることが最も重要な手段といえます。
「愛知県は地震が少ない」と言われる背景には、過去の発生頻度の低さや確認されている活断層の少なさがあります。
しかし、南海トラフ地震の想定被害や津波リスクを考えると、地震が少なかったからといって安心は禁物です。
地域ごとの今後のリスクを正しく理解し備えを講じることが、安心できる暮らしにつながります。
特に住宅の耐震性は命と財産を守る重要な要素で、信頼できる施工会社を見つけ相談することが防災の第一歩です。
百年住宅では、過去の大地震でも被害ゼロの実績を持つ住宅づくりを行っています。
愛知県で「地震に強い家」を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。